Nasty Dream ~Code.ZERO~
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『Nasty Dream ~Code.ZERO~』
(ナスティドリーム ~コードゼロ~)
【ジャンル:バトル/シリアス/厨二/叫びセリフあり】
【所要時間:50分程度】
【あらすじ】
身体を機械化することで戦闘能力を強化する技術が普及し、世界は未曾有の戦争時代へと突入していた。
その中で領土を劇的に伸ばしていたのはニールジナ統一連邦。近年新設された特殊部隊「ライラプス」の活躍が大きかった。
現在、機械化技術の高い国「ガンデリカ」の制圧作戦が佳境を迎えようとしている。
【人物紹介】
☆ムツキ ♀
特殊部隊ライラプスのメンバー。
コードネームは無し。
軍の中で唯一の機械化率0%。普段は真面目だが戦闘の時は激しく立ち回る。
□136 ♂
特殊部隊ライラプスのメンバー。本名不明。
機械化率50%。コードネームは136(イチサンロク)
部隊のルーキー。ニールジナ1の高機械化率保有者。
※冒頭に出てくる兵士(セリフ数3)も兼役して下さい。
△ハルマ ♂
特殊部隊ライラプスのメンバー。
機械化率25%。コードネームは860(ハチロクゼロ)
コノハとは兄妹のような存在。ガサツでノリのいいことが好き。
▽コノハ ♀
特殊部隊ライラプスのメンバー。
機械化率20%。コードネームは528(ゴーニーハチ)
ハルマとは兄妹のような存在。底抜けに明るい。
◇隊長 不問
特殊部隊ライラプス隊長。
機械化率の公開はなし。コードネームは111(トリプルワン)
曲者揃いのメンバーを纏めるだけの実力を有す。
【注意点】
・ムツキ以外は持ち回りでナレーションがあります。
以下の記号で検索をかけると分かりやすいです。
☆・・ムツキ役の方(セリフ数87/叫びセリフあり)
□・・136役の方(セリフ数75/叫びセリフあり)
△・・ハルマ役の方(セリフ数81/叫びセリフあり)
▽・・コノハ役の方(セリフ数86/叫びセリフあり)
◇・・隊長役の方(セリフ数76/叫びセリフなし(語気強める程度はあり))
↓生声劇等でご使用の際の張り付け用
――――――――
『Nasty Dream ~Code.ZERO~』
作:レイフロ
ムツキ:
136&兵士:
ハルマ:
コノハ:
隊長:
https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/56054862
――――――――
以下、台本です。
△ハルマ:
待ぁぁてよぉぉぉ?
□兵士:
はぁ、はぁ、はぁ…応答願います!
任務失敗!任務失敗っ!早く援軍をっ!なぁ!応答しろよぉ!
△ハルマ:
援軍かぁ。俺的には呼んで欲しいんだぜー?
ちまちま戦うのは性に合わないしさぁ。
□兵士:
たっ、頼む!見逃してくれ!なんでもするから!
▽コノハ:
えーっ何でもしてくれるのー?どうしよっかなぁ?!
△ハルマ:
コラ、コノハ!そいつは俺の獲物なんだからどっか行っとけよ!
▽コノハ:
だって自分とこ終わっちゃったんだもん。
逃げ足だけ早くて全然強くないし、ガンデリカの奴ら舐めてんのかなぁ?
くそむかつくんだけどー。
△ハルマ:
クチ悪ぃなぁ。ところでパンツ見えてんぞ?
白かよ、色気ねぇなぁ。
▽コノハ:
はぁ?!どこ見てんのよーっ!!
□兵士:(刺される)
ぐげっ…!
(ほぼ同時に)
△ハルマ:ああああっ!!俺の獲物があああ!!
▽コノハ: ああああっ!!アタシの獲物があああ!!
☆ムツキ:
何してるんですか?
貴方たちが話してる間にコイツ、逃げようとしてましたよ?
△ハルマ:
なんてことすんだよぉ!俺が殺したかったのにぃ!
☆ムツキ:
ガンデリカの偵察部隊のリーダーは、
もう136(イチサンロク)が捕らえました。任務達成です。
▽コノハ:
あーあ、脳髄(のうずい)をこんなに正確に貫いて…
これじゃ痛いと感じる間もなく逝っちゃっただろうなぁ…もったいなぁい。
☆ムツキ:
コノハ、あまり残虐性を表に出しすぎると、
次のメンテナンスで性格を修正されてしまうかもしれませんよ?
▽コノハ:
ええぇ?!そんなことも出来んの?!
☆ムツキ:
貴女は身体の機械化率こそ20%と低めですが、
脳の一部も機械化してますからそこをいじれば性格くらいは…
△ハルマ:
ハッハー!いいじゃねぇか!
残虐性は取り除いて、もっとエロくしてもらおうぜ!
▽コノハ:
そんなこと言ったらハルマだってもっと頭良くしてもらいなよ!
バカ丸出しだもんね!
◇隊長:(通信)
こちらコードネーム111(トリプルワン)、残兵(ざんぺい)は片づけたか?オーバー?
☆ムツキ:
こちらムツキ。任務完了。
860と528を連れて帰還する。オーバー
◇隊長:(通信)
ラジャー。機械化している部分だけでいいから持ち帰るのを忘れるな。アウト。
☆ムツキ:
聞こえたでしょう?戻りますよ。早くそいつをバラして下さい。
▽コノハ:
アタシがバラすぅぅ♪
△ハルマ:
ああ!ずりぃぞーっ!
(間)
☆ムツキ:
特殊部隊ライラプス、ムツキ、帰還しました。
△ハルマ:
同じく、コードネーム860、帰還しやしたぁ
▽コノハ:
コードネーム528、お帰りやがりましたぁ
◇隊長:
ご苦労だった。回収品はラボに回してきたか?
△ハルマ:
はい、隊長~。
□136:
遅かったな?また敵の兵と鬼ごっこでもして遊んでたんだろ?
▽コノハ:
ハイハーイ!鬼ごっこして遊んでたのはハルマでーっす!
△ハルマ:
おまえっ!隊長の前でなに告げ口して…!
◇隊長:
ほう?獲物で遊ぶなと何度言えばわかるんだァ??
△ハルマ:
ひっ!た、隊長、笑顔が怖いっすぅ…
◇隊長:
お前らは優秀だが、いわば『混ぜるな危険』だ。
だからこそこの特殊部隊に配属されたわけだが、自由で良いわけではない。
解っているのか?
▽コノハ:
あはは~、ハルマ怒られてやんのぉ!
◇隊長:
コノハ、お前もだぞ?二人ともそこに直れ!
(ほぼ同時に)
▽コノハ:は、はいぃっ!
△ハルマ:は、はいぃっ!
◇隊長:
もっと己の立場と責任を理解しろ。
一人ずつ、所属と名前!!
△ハルマ:
え?!いきなりスか?!
◇隊長:(すごんで)
早くしろ。
△ハルマ:
え、ええっと、特殊部隊ライラプス所属、ナンバー860!
機械化率25%、アビリティは「Vein(ヴェイン)」であります!
◇隊長:
次っ!
▽コノハ:
はっはいぃ!
特殊部隊ライラプス所属、ナンバー528!
機械化率20%、アビリティは「Vermillion(ヴァーミリオン)」でっす!
◇隊長:
はぁ…肩書きだけは立派だが、
だいたいにしてお前らはだなぁ…!
□136:
あーあ、始まったよ隊長の説教。
廊下に立たされてる小学生みたいだなアイツら。
☆ムツキ:
もはや微笑ましいじゃないですか。
□136:
それディスってんのか?
(SE:着信音)
◇隊長:
ドクターから着信だ…まさかお前ら…
(ほぼ同時に)
▽コノハ:やばっ…!
△ハルマ:やべっ…!
◇隊長:
はい、111(トリプルワン)。
…はい…はい…そうですか…
先ほどラボに送ったパーツの切り口がぐちゃぐちゃで使い物にならない、と…
▽コノハ(小声):
アタシしーらないっとぉ…
△ハルマ(小声):
あ!ずりぃぞコノハっ
◇隊長:
大変申し訳ございません。
アイツらには、私からキツーーーーーーーーーく言い聞かせますので。
何なら代わりにアイツらの腕を差し出しましょうか?
(ほぼ同時に)
▽コノハ:ひぃぃぃっ
△ハルマ:ひぃぃぃっ
◇隊長:
そうですよね、いりませんよね、あんな無能共のゴミみたいな腕は。
…はい…はい…次回からこのようなことは無いようにします。
では失礼します。
▽コノハ:
あー…えっとぉ…そのぉ…あの腕はハルマがやりました!!
△ハルマ:
嘘つくなボケぇぇ!お前が斧でぶった切ったんだろうがぁ!
◇隊長:
黙れバカ者ども!
敵の機械化部分のパーツ回収は、迅速かつ丁寧にと何度言ったらわかる。
…いや、ちょっと待て。斧だと?!
機械化している連中には、利き腕にそれはそれは切れ味鋭い仕込み刀を搭載しているというのに、なぜそれを使わない?!
▽コノハ:
だってぇ、あれスパーッて切れちゃって手ごたえないから面白くないってゆーかぁ…。
近くの民家に斧があったから、ちょこーっと使ってみたくて?
重かったけど、ズグシャアって潰れる感触がめちゃめちゃ気持ちよかったー!
◇隊長:
ズグシャア??
▽コノハ:
肉と骨同時に潰れる感じがほんとズグシャアです!!
◇隊長:
はぁぁぁぁ(深いため息)
こんなことでは先が思いやられる…。
ドクターを本気で怒らせてみろ、次の負荷テストの時にとんでもないことになるぞ?
△ハルマ:
ぜひコノハの性格をドエロく改造してもらおうぜ!
▽コノハ:
ハルマは口を縫い付けてもらうもんねーっだ!
◇隊長:
そういえばムツキ…この間ドクターが、
そろそろ本気で機械化の件、考えてくれないかと言っていたぞ。
☆ムツキ:
え…でも私は…
◇隊長:
分かっている。お前の機械化率0%は特例だ。
本人の意思がない限り、機械化はしないという条件で軍に入ったんだからな。
だからまぁ、ドクターも本気で言っているわけではないと思うが。
☆ムツキ:
は…はい…。
◇隊長:
ただ、我らが「ニールジナ統一連邦」の昨今(さっこん)の成長は目ざましい。
チマチマとした周辺各国を統一し、この地球上で一番大きなゾドニア大陸を
手中に納めることも、あながち夢ではなくなってきている。
▽コノハ:
え~すっごーい!
△ハルマ:
しょっちゅう領土の取り合いで戦争が起こってっから、
うちの国が今どこまで領土広げてんのかそろそろわかんねぇぜ。
□136:
それくらい把握しておけ。今回偵察に来たガンデリカを落とすことが出来れば、
ゾドニア大陸の約半分は、俺たちの国の占領下になる。
◇隊長:
あぁ。しかもガンデリカと言えば、機械化技術の先進国。
きっと他国が知りえない知識や技術を隠し持ってるはずだ。
□136:
隊長の言う通り、ガンデリカを落とすメリットはむしろ、
土地よりも知識と技術ってことだ。
▽コノハ:
ってことは、全員ぶっ殺せばいいってわけじゃないってことぉ?!
え~やだめんどくさぁい。
□136:
いや、ドクターにかかれば
機械化した部分さえ残っていれば大抵のことは解析出来るんじゃないか?
◇隊長:
だからこそ綺麗に回収してもらわなければ困るんだが?
なぁ、コノハぁ?
▽コノハ:
だだだだからごめんなさいってばぁ!!
△ハルマ:
あははー、怒られてやんのぉ
◇隊長:
お前もだハルマ!
△ハルマ:
えぇ?!俺は斧でズグシャアしてないのにぃ!
▽コノハ:
手に伝わる振動がね!めっちゃ良かったの!もっかいやりたいズグシャア!
△ハルマ:
ずっる!!今度は俺が…
◇隊長:
おーまーえーらぁぁぁ?????
□136:
ふっ…懲こりねぇな、アイツら。
☆ムツキ(小声):
136。
□136:
なんだ?
☆ムツキ:
この後すぐ休みますか?
□136:
いや、トレーニングルームに行く。手合わせするか?
☆ムツキ:
お願いします。
<トレーニングルームにて>
☆ムツキ:
それにしても、今日のあれは何だったんでしょう?
あんな訓練途中のような偵察部隊を送ってくるなど、
ガンデリカも相当焦っていると見えます。
□136:
まぁそうだろうな。機械化技術はガンデリカの方が先進だ。
もともと小国(しょうこく)だった我々ニールジナの傘下に加わるなんて屈辱なんだろ。
☆ムツキ:
貴方が表舞台に出てからというもの、
この国は恐ろしい勢いで周辺国を吸収していっています。
ただの「ニールジナ」という小国から、
今や「ニールジナ統一連邦」なんて大層な名前に変わって…
□136:
お前は戦争を一刻も早く終わらせたいと言っていたじゃないか。
この世界で一番大きいとされるゾドニア大陸をニールジナが統一出来れば、
しばらく戦争の必要はなくなるんだぞ。
☆ムツキ:
そうですね…。早くガンデリカも降伏してくれればいいんですが…。
□136:
世界一の機械化技術を誇っているという栄光が邪魔して降伏出来ないんだとすれば、くだらないな。
☆ムツキ:
136。今日は本気で手合わせ、お願い出来ますか。
□136:
あ?お前は強いが、俺が本気を出したら
あっという間に真っ二つになるぞ。
☆ムツキ:
えぇ。生まれながらにして機械化率50%の貴方と、
未だ機械化していない私とでは、万に一つも勝ち目はありません。
□136:
わかってるならなんでだ。
☆ムツキ:
ですが。「あっという間」ではないかもしれませんよ?
◇N(隊長役の方):
次の瞬間ムツキの姿は消えており、136の目の前に、銀色の残像が襲った。
□136:
んだとっ?!今その長刀(ちょうとう)、抜くの見えなかったぞ。
☆ムツキ:(豹変して)
チィッ、防いだか…これならどぉだあああッ!
◇N(隊長役の方):
ムツキはクルッと身体を回転させ、
遠心力を追従(ついじゅう)させた長刀(ちょうとう)を振り下ろした。
□136:
フッ…少しは楽しませてくれるってわけか。来てみろよッ!!
☆ムツキ:(斬りかかる)
だあああああッ!
(間)
◇隊長:(電話中)
ドクター。一応ムツキには伝えましたが、あまり機械化を勧めるのはやめて下さい。
彼女は、機械化0%でも十分価値のある人材です。
いや、0%だからこそ…
いえ、今のは忘れて下さい。
…はは、そうですね、下手に偉くなってしまうと、
上も下も気にしなければいけなくて苦労が絶えません。
…とにかく、ドクターは引き続き研究の方、よろしくお願いします。
くれぐれもムツキに余計なことを言わないようお願いします。
…はい。では失礼します。
(電話終了)
◇隊長:
チッ、食えないやつだ。タヌキめ…。
(間)
□136:(剣を躱しながら)
ほんとお前はっ、戦いとなるとっ、人が変わるなぁ?
そうやって大声出してっ、誤魔化してんのか?
☆ムツキ:
私が何を誤魔化しているというんですかッ!!
□136:
そりゃあもちろん。
「本当は戦いたくない」っていう気持ちをだよ。
◇N(隊長役の方):
その言葉に一瞬怯んだムツキの腹に、136の重たい蹴りが食い込む。
☆ムツキ:
ぐえっ…!げほっげほっ!
□136:
他の奴等はお前の事を、「刀を握ると性格変わる」くらいにしか思ってないが、
俺には隠せな……ん?なんだ?
◇N(隊長役の方):
136は自身の頬に違和感を感じ、ゆっくりと指を滑らせると、指先にはかすかに血が付いていた。
☆ムツキ:
ふふ…初めて貴方の顔に傷をつけられました…
□136:
へぇ…やるなぁ。
☆ムツキ:
見くびっていると、「あっという間に」死にますよ?
□136:
かすり傷一つ負わせただけで調子に乗るなッ…
◇N(隊長役の方):
136が再び攻撃態勢に入ろうとした瞬間、大きな警報が鳴り響いた。
(SE:警報)
☆ムツキ:
警報?!
◇隊長:(通信)
ムツキ、136、聞こえるな?ガンデリカからの急襲だ。
860と528はもう出ている。お前らも迎撃(げいげき)に迎え。
(ほぼ同時に)
☆ムツキ:了解!
□136:了解!
□136:
命拾いしたな?
☆ムツキ:
そうでしょうか?
□136:
なんだと?
☆ムツキ:
頬の傷、塞がるように切っておきました。
◇N(隊長役の方):
136が再度頬に手を滑らせると、さっき確かにあったはずの傷が塞がっていた。
□136:
な…!
☆ムツキ:
貴方はこの国で唯一の、生まれながらにして機械化した身体を持つ奇跡の存在。
頬に傷があったんじゃカッコ悪いでしょう?
さ、行きますよ。
◇N(隊長役の方):
そう言ってムツキは先に走り去った。
□136(心の声):
アイツの長刀は確か名のある日本刀…。
いくら俺の細胞が特殊だと言っても、「戻し斬り」なんてもん初めて見た。
漫画じゃあるまいし…。
でも、俺が手を触れなければ血も出なかったかもしれない。
□136:
ふーん…
(間)
△ハルマ:
おーおーおー!こりゃすげーわぁ!
ついにガンデリカの奴ら、頭がイッちまったみてぇだなぁ!
▽コノハ:
やばいやばいやばい!殺り放題じゃ~ん!
最初っから起動しちゃってもいいよね?いいよね隊長?!
◇隊長:
早まるなと言いたいところだが、敵はもはや捨て身の総力戦。
能力の特性上、二人とも最初から起動していいだろう。
▽コノハ:
やぁったあ!んふっ、じゃあ行くね?行っちゃうね?!
ハルマ!準備はオーケー?
△ハルマ:
ったり前だろ?!こっちは全然殺りたんねぇのよ!!
▽コノハ:
コードネーム528、「Vermillion(ヴァーミリオン)」起ッ動―っ!!
△ハルマ:
コードネーム860、「Vein(ヴェイン)」起動おおっ!!
▽コノハ:
アタシの「Vermillion(ヴァーミリオン)」は、血を求める剣っ!
血に濡れれば濡れる程切れ味が増す剣なんだよぉ?
みんなたーっくさん血を頂戴ねぇ?
△ハルマ:
久しぶりにコノハの剣が真っ赤に染まるまで遊べそうだなぁ。
▽コノハ:
うんっ!ハルマの剣だって、もうドクンドクン聞こえるよ?
△ハルマ:
「Vein(ヴェイン)」は、俺のテンションに応じて切れ味が増す剣だからなぁ。
ブチ上げてくれよぉぉ???
▽コノハ:
あははっ!地獄がパンパンになるまで殺ってやるんだからぁ!
△ハルマ:
開戦だぁぁ!!!
(間)
☆ムツキ:
隊長!状況は?!
◇隊長:
あぁ、悪くはないが、ガンデリカは降伏するつもりは一切無いようだ。
残りの戦力全てを持ってきている。
□136:
コノハとハルマは起動済みか。飛ばしてんなぁ、あいつら。
◇隊長:
ムツキもあの二人に続け。136は…
□136:
俺も起動する。
◇隊長:
やめておけ。お前は昨日負荷テストを受けたばかりだろ。
☆ムツキ:
え?昨日?
□136:
別に問題はない。
◇隊長:
昨日の負荷テストは最高レベルでキツかったばずだ。起動はやめておけ。
□136:(不服そうに)
…了解。行くぞムツキ。
☆ムツキ:
あ、はい…。
◇隊長:(小声)
ムツキ、136が起動しないように見張れ。
あぁは言っているが、今日は本調子ではないはずだ。
☆ムツキ:
了解、しました…。
(間)
▽コノハ:
いぃーやっほぉぉぉぉ!!!ハルマぁ、そっちに二人逃げたぁ!
△ハルマ:
わーってるよぉ、逃げる背中を斬るのがいっちゃん楽しいよなぁ…おらぁ!
▽コノハ:
ふははっ!なにそれ、性格わっるーい!
△ハルマ:
お前は血が出りゃどこでもいいんだろ?
▽コノハ:
まーねー!でもやっぱぶっとい血管はサイッコォ!
♪けーどうみゃく~だいたいどうみゃく~そんでもってなんかぶっとい血管~♪
△ハルマ:
力抜けっから変な歌歌うなよなぁ?
っておい、逃がすわけねぇだろクソがぁ!!
▽コノハ:
もう弱い兵士しか残ってないんだねー。
ここの兵士を全部殺ったら、さすがに降伏しちゃうかな?
△ハルマ:
いや、どうせ援軍が来るだろ。
最後の一匹まで引きづりだして、尻の毛まで毟(むし)ってやろうぜぇ?
▽コノハ:
ハルマ下品すぎー!
よーっし!全身の毛毟(むし)っちゃうかんねー!
△ハルマ:
下品はどっちだよ!あ、コラ待て!抜けがけはズルいぞー!?!
(間)
(ムツキと136、一番激戦となっている中心部へと急ぐ)
☆ムツキ:
昨日負荷テストがあったことなぜ言わなかったんですか?
さっき一矢報いたと思った私が馬鹿みたいじゃないですか。
□136:
必要がないから言わなかっただけだ。
それに戦いに万全だの不調だの言い訳するやつほどダセェもんはないだろ。
☆ムツキ:
ですが、負荷テストは身体に電流を流したりするんでしょう?
しかも、貴方に課せられるテストは他の者とはレベルが違うと聞いています。
□136:
当然だろ?俺は純粋な機械と人間の子供で、生まれながらにして機械化率50%の化けモンだ。
後付けの機械化連中と同じテストをしてどうする。
☆ムツキ:
化け物ではありません、貴方も人間です!
□136:
上の連中はそうは思っちゃいないさ。
☆ムツキ:
え?
□136:
何でもない。急ぐぞ。
□N(136役の方):
一方、コノハとハルマは、敵の猛攻をもろともせず、目に入る敵全てを切り捨てていた。
▽コノハ:
きゃはは!たンのしぃ~!
△ハルマ:
全然相手になんねぇなぁ…
と思ったら、なんだありゃあ?
▽コノハ:
なんっか真っ黒だしヤバそうな機械だね?壊しとく?
△ハルマ:
オケ~。んじゃ左右から挟み込むぞ?いいな?
▽コノハ:
了解~!
◇隊長:(通信)
ハルマ、コノハ。先ほどからおかしな電波が観測されている。
何か異常はないか?オーバー。
△ハルマ:
ちょーど今見たことない機械を発見。コノハと共に破壊行動に移ろうとしてたとこで…
▽コノハ:
ちょっと待って?!アイツら変なヘルメット被り始めたんだけど?!
◇隊長:(通信)
数値が急上昇している…?
2人とも、早くそこから離れろ!
□N(136役の方):
次の瞬間、頭が割れそうなほどの強烈な耳鳴りがハルマとコノハを襲った。
(ほぼ同時に)
△ハルマ:ぐあああああっ!!
▽コノハ:きゃあああっ!!
◇隊長:(通信)
おい、何があった!?状況を報告しろ!
チィ!切れたか…
136、ムツキ!応答しろ!
☆ムツキ:
こちらムツキ!隊長、136が!
□136:
ぐうっ…!頭が、…割れそうだ…っ
◇隊長:(通信)
現在地は?
☆ムツキ:
もうすぐ前線に合流するところですが、急に136が苦しみ出しました!
◇隊長:(通信)
ガンデリカの奴らがおかしな電波を発信しているようだ。
おそらく機械化している者にしか効かない特殊な電波だろう。
本部にまでは影響がないようだから、有効範囲は広くないことが予想されるが、
それを持ち込まれてはマズイ。
ムツキ、機械化していないお前が頼りだ、速やかに破壊しろ!
☆ムツキ:
了解!
□136:
お前だけで行くなんて、無茶、だ…機械化率の、少ない連中の、応援を待ったほうが、
☆ムツキ:
そんな悠長なことをしていたら、本拠地まで持ち込まれてしまいます。
貴方はここに居て下さい。行ってきます!
□136:
おい待てっ…!ぐっ…!
くそ…冗談じゃねぇ…冗談じゃねぇぞ…!
(間)
▽コノハ:
いたいよぉ…頭が、破裂しちゃうぅぅ…
△ハルマ:
ふざけた機械…作りやがって…こっちに来んじゃねぇ!
□N(136役の方):
電波遮断のためのヘルメットを被ったガンデリカの兵が、
立つ事も出来ないコノハとハルマをじりじりと取り囲む。
▽コノハ:
くそがあぁっ…!
□N(136役の方):
血を吸って朱色に染まったVermillion(ヴァーミリオン)に必死に手を伸ばすコノハに、
敵兵の刃が振り下ろされようとしたその時、銀色の閃光が真横に薙(な)いだ。
取り囲んでいた敵兵の身体が上下に切り離され、湿った音と共に地に落ちる。
△ハルマ:
ムツキ…おせぇ、ぞ…っ
☆ムツキ:
すみません。大丈夫…じゃなさそうですね。
▽コノハ:
うぅ、頭に手入れられて、かき回されてるみたいなのぉ…
☆ムツキ:
あの真っ黒な物体ですね…破壊してきます!
△ハルマ:
気をつけろ、よ…
☆ムツキ:
貸し一つですよ。
□N(136役の方):
ムツキはそう言って走り出すも、装置の周辺にはアビリティを持っている兵が何人も立ち塞がっていた。
☆ムツキ:
もはや機械化していない兵などいないと思って、その玩具を作ったのでしょうが、
残念でしたね。私は機械化0%…せいぜいあの世で悔やんで下さい。
(間)
□136:
お前、ら、生きてるか…?
△ハルマ:
ヤバい、コノハの意識がなくなっちまった…
げほっげほ…俺も、もうげんか、い…
□136:
チッ…俺は、援護に行ってくる…。
△ハルマ:
援護っておまえ…!ムツキが機械壊すまで待った方が…
□136:
アイツがいくら優秀でも、機械化率0%のスタミナなど底が知れている。
…コードネーム136、GENOCIDE(ジェノサイド)…起動…!!
△ハルマ:
嘘、だろ?!この状態で、起動、しやがった…
□136:
はぁ、はぁ…っ!
起動してもしなくても、このくそうぜぇ耳鳴りが止まないなら、同じ、ことだ。
お前らは、そこで寝てろ。
△ハルマ:
信じらんねぇ…やっぱアイツは…
俺らとは、ちが…うっ…(気を失う)
(間)
☆ムツキ:
であああああああッ!!
くっ!キリがない…!完全にここに主力の兵を集中させてる…!
▽N(コノハ役の方):
機械化し、アビリティを持った敵ばかりを相手に、ムツキの体力は確実に削られていた。
☆ムツキ:
はぁ、はぁ、機械化連中の体力…チートじゃない!
ああー…だんだんムカついてきたァっ!
▽N(コノハ役の方):
ムツキが最後の力をふり絞り刀を構えると、突然数人の敵兵が火だるまとなり
悲鳴をあげてのたうち回った。
☆ムツキ:
っ!?!この力は…
□136:
イイ子ちゃんの本音がようやく聞けたなぁ。
「機械化連中はチートでクソムカつく」、だったか?
☆ムツキ:
そこまでは言ってませんっ!
って136、起動してしまったんですか?!
顔色が真っ青…無茶ですよ!
□136:
無茶はお前もだろ。
いいからさっさとやるぞ。俺が道を作る。
お前があのダセェ機械を壊せ…げほっげほっ(吐血)
☆ムツキ:
血が…!
□136:
俺のGENOCIDE(ジェノサイド)は殺戮(さつりく)の刀。
こんなわけわかんねぇ電波で…抑えられるもんならやってみろ!!
うおおおおおッ!!
▽N(コノハ役の方):
136のアビリティはGENOCIDE(ジェノサイド)。
相手を斬りつける度に炎や雷といった不特定の特殊効果、つまりバフがかかる。
斬られた者は、ある者は火だるまとなり、ある者は感電し、ある者は地上で溺れた。
☆ムツキ:
GENOCIDE(ジェノサイド)に翻弄されて陣形が崩れていく…!
私の急駛(きゅうし)を見越して、136はわざと派手な立ち回りを…?
要は残りの体力全部使って走れ、ってことですか。
貴方らしからぬ脳筋な作戦ですね…。
▽N(コノハ役の方):
ムツキは、136に釘付けとなっている敵兵の間を俊足ですり抜け、
手薄となった妨害電波発生装置へと刀を振り下ろした。
☆ムツキ:
うおあああッ!!!
▽N(コノハ役の方):
機械は真っ二つとなり、ただの金属片へと化す。
△ハルマ:
耳鳴りが、止んだ…!
おい、コノハ!起きろ!
▽コノハ:
んん…っ、どう、なったの…?
△ハルマ:
ムツキがあのクソムカつく機械を壊したぞ!
まだ136のところには敵兵がいる、加勢するぞ!
□136:
手間かせさせやが、って…ぐっ…(気絶して倒れる)
▽コノハ:
あっ!!136が倒れちゃったっ!
△ハルマ:
アイツら…136だけでも始末する気だ!
くそっ!ここからじゃ間に合わない!!
☆ムツキ:
そんな…!136ーーッッ!!
▽N(コノハ役の方):
残った敵兵は、倒れた136の周りを取り囲み、無数の剣が上段にかまえられる。
コノハとハルマからは距離が遠く、体力を使い切ったムツキにも駆けつける力は残っていなかった。
◇隊長:
コードネーム111(トリプルワン)、Calamity(カラミティ)、起動。
▽N(コノハ役の方):
その瞬間、136を取り囲んでいた敵兵の足元に黒い霧が立ち込める。
◇隊長:
みな、よくやった。
ハルマとコノハはそれ以上こちらへは来るな。
死にたくなければな。
▽コノハ:
でも隊長…っ!
△ハルマ:
コノハ!大丈夫だ、隊長がアビリティを起動させた。
▽コノハ:
そういえば隊長のアビリティって?
△ハルマ:
絶対に近づいちゃダメだ…。
悪夢に、憑り殺されるぞ。
◇隊長:
やはりガンデリカの技術は侮れないな。
もう少し時間があればきっと本体装置の小型化や、
有効範囲の広さも各段にアップしていただろうに。
▽N(コノハ役の方):
敵兵は、何の効果もない黒い霧を無視し、じりじりと隊長へと迫る。
◇隊長:
安全なところに引っ込んでいるであろう技術者の方々には、
今後、我がゾドニア統一連邦に尽力して頂くために…。
貴方がたには見せしめになってもらう。
私のCalamity(カラミティ)は、災難・不幸・悲惨のカタマリだ。
せいぜい霧の中に潜む鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)たる気配に、恐れおののけ。
(5秒以上あけて下さい)
▽コノハ:
まーじーで激ヤバだったー!
隊長のCalamity(カラミティ)って何が起こったの?!なんであんな地獄絵図になったのぉ?!
△ハルマ:
お前もう体はいいのかよ?
頭いてぇんだからキンキン騒ぐなっつの!
▽コノハ:
黙るから教えてよぉ、何が起こったか全然わかんなかったのー!
△ハルマ:
説明も何も見たまんまが全てなんだよ。
隊長の術中にハマれば「地獄を見る」ってことだよ。
▽コノハ:
何それ意味わかんなーい。ハルマって頭わるー。
△ハルマ:
なんでそうなるんだよこのやろっ!
▽コノハ:
うえああ、頭グリグリしないで、痛いぃぃ
☆ムツキ:
元気そうですね二人とも。
△ハルマ:
よぉムツキ。ま、136よりかは元気だよ。
アイツは?まだ目覚まさねぇの?
▽コノハ:
アタシお見舞い行くー!
□136:
来なくていい。余計具合が悪くなる。
▽コノハ:
なんだ起きてんじゃん!せっかくバナナ持ってってあげようと思ったのにー!
☆ムツキ:
この後皆さんには沢山の検査が待っていますので、
しばらく通常の任務はお休みです。
(ほぼ同時に)
△ハルマ:はぁぁ?!
▽コノハ:えぇぇ?!
◇隊長:
廊下まで五月蠅いぞ。何を騒いでいる。
☆ムツキ:
隊長。この後の検査について話していました。
◇隊長:
お前らはガンデリカの特殊電波をもろに浴びたからな。
影響が蓄積していないか、バグが発生していないか検査に回れ。
△ハルマ:
うわ、だっるー。
▽コノハ:
この後ガンデリカの土地を制圧しに行くんじゃないのぉ?!
アタシ楽しみにしてたのにー!
◇隊長:
もう奴らの主力は殲滅した。戦える者はほとんど残っていない。
お前らがいなくても問題はない。
▽コノハ:
ちぇーつまんなーい
◇隊長:
今のうちに力を溜めておけ。
ガンデリカが吸収されることでまた世界の情勢が変わる。
我らがニールジナ統一連邦が世界を治める日まで、まだまだ争いは続くのだからな。
△ハルマ:
次はもっとおっきな国とやりあいてぇな~
▽コノハ:
めっちゃ楽しそう!たのしみー!
□136:
……。
☆ムツキ:
136? どうかしました?
□136:
いや。
◇隊長:
しっかりしてくれよ?136。お前は我が国のルーキーなんだ。
なんたって、世界でたった一人の超希少な「禁忌の個(こ)」なんだからな。
△N(ハルマ役の方):
次の瞬間、空気がビリビリと痺れ、刃と刃がぶつかる甲高い音が響いた。
◇隊長:
ぐっ…!!
□136:
…その呼び方はやめろ。
▽コノハ:
何いまの!?全然動きが見えなかった…
△ハルマ:
おい136!なに隊長に剣向けてんだよ!
◇隊長:
やはりお前は底知れない…、今私を殺す気で来たな?
□136:
まさか。隊長なら受けてくれると思ってましたよ?
◇隊長:
その割には目が座っているぞ。
「禁忌の個(こ)」と呼ばれるのがそんなに嫌か?
□136:(無視して)
コールなしでもアビリティ起動出来るんですね。さすがは隊長といったところですか。
▽コノハ:
え…?隊長のアビリティってことは…
☆ムツキ:
コノハ!早く離れてっ!
▽コノハ:
うわわわっ
△N(ハルマ役の方):
次の瞬間、隊長の刀からは禍々しい黒い靄(もや)がうっすらと立ち上った。
それでも136は一歩も引くことなく、鍔迫り合い(つばぜりあい)を続けている。
◇隊長:
完全な起動ではないとはいえ、私のCalamity(カラミティ)に長く触れていると悪夢に飲まれるぞ?
□136:
ぐっ…!!
◇隊長:
いい機会だ。お前らも見ておけ。
△N(ハルマ役の方):
黒い霧があっという間に部屋に拡散すると、そこにはぼんやりと映像が見え始め、
136に行われている壮絶な負荷テストの様子が映し出された。
▽コノハ:
ひっ…なにこれ…アタシたちが受けてる負荷テストと全然違う…
△ハルマ:
あれじゃまるで、拷問じゃねぇか…
☆ムツキ:
136…
△N(ハルマ役の方):
136はとっさに後ろに飛びすさり距離を取ると、ゆっくりと刀を鞘に納め、一礼して部屋を出た。
☆ムツキ:
あ、待ってください!
◇隊長:
いい。放っておけ。
☆ムツキ:
…。隊長、お怪我は?
◇隊長:
大丈夫だ。だが私が手に負えなくなるのもあまり先の話ではないかもしれんな。
△ハルマ:
隊長のCalamity(カラミティ)は、その人にとっての不幸や災難なことを強制的に見せて精神ダメージ追わせるもの。いくら136が強いっつっても、そんな状態で100%の力なんて出せるもんかねー?
◇隊長:
本当に強い者には精神攻撃など利かん。
今のところCalamity(カラミティ)を跳ね返した者は我が国の総隊長殿だけだがな。
まぁ、アイツがそうなるまでにはまだ時間がかかるだろうが。
▽コノハ:
136って赤ちゃんの頃からあんな拷問みたいなテストされ続けてるんだよね?
やばすぎ…。トラウマがない方がおかしいっていうかぁ。
△ハルマ:
コノハ!隊長の前だぞ!
▽コノハ:
ハッ!あ、あのえっと…でもそれもニールジナが世界統一として、
えっとえっと、平和な世界を築くためであるからして!
決して拷問で136をいじめているわけではないと思います!はい!
◇隊長:
今のは聞かなかったことにしておく。
お前らも負荷テストの基準を上げられたくなかったら、外でそんな話はするなよ。
(ほぼ同時に)
△ハルマ:了解ッ!
▽コノハ:了解ッ!
◇隊長:
ムツキ、聞いているのか?
☆ムツキ:
肝に、銘じておきます。
(間)
☆ムツキ:
「136」だから…「いさむ」かなぁ…?それとも「あすむ」とか…
□136:
詮索はやめろ。
☆ムツキ:
っ?!居たんですか?!
□136:
528はコノハ、860はハルマ、じゃあ136の名前は?とか考えてたんだろ?
俺の名前なんか知ってどうする。機械化したらナンバーが付く。それだけだ。
☆ムツキ:
別に考えたっていいじゃないですか。私の勝手です。
□136:
俺は人工的に機械化してるわけじゃねぇ。50%の機械化率は生まれながらのもんだ。
名前なんかない。最初から136だ。
☆ムツキ:
そうでしょうか?だったら「001(ゼロゼロイチ)」とかで良くないですか?
絶対元になる名前があったんだと思います。
□136:
お前こそ、なんでそんなに頑なに機械化しねぇんだ。
生身のまま軍に入れたことは大したものだが、この機械化大国で別にこだわる必要ねぇだろ?
アビリティが付くかは個人の能力次第だが、お前にならほぼ確実に付くぜ?俺が保証する。
☆ムツキ:
手術が怖いとかアビリティが付くか心配とか、そんなんじゃないんです。
実際、1か月以内に完治しない怪我を負った場合には、速やかに機械化することを条件に軍に入りましたから。
□136:
ふーん。
☆ムツキ:
興味なさそうですね。
□136:
そんなことねぇよ。ただ、機械化したお前といつか…
▽コノハ:
あーっ!二人ともこんなとこにいたー!
☆ムツキ:
コノハ。どうかしたんですか?
▽コノハ:
ちょーっと二人ともこっちに立ってくれるー?
□136:
おい、今度は何の遊びだ?
▽コノハ:
いいからいいから!ほら!ハルマも早く来てー!
△ハルマ:
やだよ俺はいいって!
▽コノハ:
そういうのいらないから!ムッちゃんの隣に立てぇい!
△ハルマ:
チッ(舌打ち)
☆ムツキ:
コノハは何をしたいんですか?
△ハルマ:
知るか!いつものめんどくせぇ思いつきだよ。
▽コノハ:
よし、これで隊長がいれば完璧なんだけどぉ…
◇隊長:
おいお前ら、ゾロゾロと廊下塞いで何してる。
▽コノハ:
隊長ー!ナイスタイミンすぎー!あーもうこれは運命だー!
はいっ、隊長はこちらにどうぞー!
◇隊長:
おい、一体何を…
▽コノハ:
よし!セット完了!カウントスタート~!
みんな笑ってー?
(みんなほぼ同時に)
☆ムツキ:え?写真撮るんですか?!
□136:はぁ?俺はごめんだ!
△ハルマ:めんどくせー
◇隊長:またお前はそういうことを…
▽コノハ:
やった撮れたー!
ありがと~みんなもういいよ~
□136:
おい、そのデータ消せ。
▽コノハ:
だいじょぶだよぉ、何か顔怒ってるけど半目とかじゃないから~
□136:
そういうことじゃねぇ!
▽コノハ:
いいじゃん1枚くらい!136のドケチ!
逃げるが勝ちだもんねーっ!(逃げる)
□136:
おいこら待てー!(追いかける)
◇隊長:
全く、騒がしいやつらだ。
お前らも遊んでないでやることやれよ。
☆ムツキ:
はい。すみませんでした。
(隊長が去ったのを確認してから)
△ハルマ:
俺は写真なんて嫌だっつったんだよ。
☆ムツキ:
私は別に構いませんけど、コノハ、急にどうしたんでしょうね?
△ハルマ:
なんか嫌な予感すんだよなー。
アイツは自分じゃ気づいてねぇけどそういう変な感は鋭いんだよ。
☆ムツキ:
何か不測の事態でも起こると…?
△ハルマ:
いや、わかんねーけどな?
ガンデリカが変な妨害電波装置出してくることだって不測の事態だったわけだしー?
☆ムツキ:
そうですね。順調とはいえ、世界統一までの道は甘くはないでしょうから。
△ハルマ:
……。
☆ムツキ:
ハルマ?
(遠くで)
□136:
待ちがやれー!
▽コノハ:
やーだよ~!
△ハルマ:
はぁ…まだやってる…。
俺たちも行こうぜ、そろそろ演習の時間だ。
☆ムツキ:
はい。
☆ムツキM:
のちにコノハから写真を見せてもらった。
コノハは笑顔だったけれど、私は驚いた顔、ハルマはムスッとしていて、
136は怒った顔、隊長は真顔だった。
バラバラなようで意外とバランスのいいチームだと思う。
でも、ハルマの嫌な予感は的中してしまった。
この写真は、特殊部隊ライラプスのメンバーが一緒に写った、最初で最後の1枚になった。
end.
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