Bloody Wedding(2人台本)

【二人声劇台本】
【男1:女1 狂気系台本】
【所要時間目安:10分以内】

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【あらすじ】

これは、狂気な二人の出会いの物語。

小さな国々が領土を取り合い、争いが耐えない時代。
政略結婚を迫られたヴィンセンティア王国の王子は、婚約者である隣国の姫君と初対面を遂げる...。


【人物紹介】
王子♂
ヴィンセンティア王国の第三王子。戦争が何よりも好き。
本名:ウィル・エイリアス・ブルームフィールド。

姫♀
ヴィンセンティア王国の隣国の姫。赤が好き。


↓生声劇で使用時の貼り付け用
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Bloody Wedding
作者:レイフロ
王子♂:
姫♀:
https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/7952222
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以下、台本です
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王子N:
小さな国々が領土を取り合い、争いが続いていた。
昨今(さっこん)、各国のパワーバランスは拮抗(きっこう)しており、睨み合いが続いている。
そんな状況からいち早く脱却するため、
ヴィンセンティア王国の国王は、
まことしやかに隣国との同盟の話を進めようとしていた。
若き自国の王子と隣国の姫が結婚すれば、
国力も、兵力も、領土も二倍。


姫N:
この話は、政略結婚を迫られた王子と姫の出会いの物語。


王子N:
ヴィンセンティア王国に密かに招かれた姫は、
部屋に入るなり王子の側に立つ従者の腹を短刀で刺した。
あまりにも自然な動き、にこやかな表情。
刺された従者はただ目を見開いてその場に崩れ落ちた。
流れ出したばかりの血が、ゆっくりと絨毯の繊維を染めていく。
その様子をジッと見つめている姫のうつむいた顔には、長いまつげが影を作っていた。





王子:
死体を見つめるあなたの長いまつげは、本当に美しい。


姫 :
それなら私のまつげと結婚すればいいわ。


王子:
はは…姫様も冗談をおっしゃるのですね。


姫 :
それよりもっと言うことがあるのではなくて?


王子:
あなたが私の従者を突然刺し殺したことですか?
代わりならいくらでもいますので、どうぞお気になさらず。


姫 :
驚かないのですね。


王子:
あなたの真っ赤なドレスからは、微かに血のニオイがしましたから。


姫 :
私ったら…恥ずかしいわ。ごめんなさい。
ここに来る直前にも人を刺してしまいましたの…
きっとその時の返り血ですね。


王子:
よいのです。
血のニオイはもはや私にとっては香水も同じですから。


姫 :
あなたは本当にヴィンセンティア王国の王子なのですか?


王子:
私の名は、ウィル・エイリアス・ブルームフィールド。
ヴィンセンティア王国の第三王子ですが、
“不幸なこと”に二人の兄は死んでしまいまして。
今は私が第一王位継承権を持っています。


姫 :
不幸なことに…ね。


王子:
ええ。
“不幸なこと”に。


姫 :
今、周辺各国の力は拮抗(きっこう)しています。
私たちが結婚し、国が一つになれば、コトをすべて優位に進めることで出来るでしょう。


王子:
そうなれば、もっと大きな戦争が出来ます。


姫 :
大国が相手ともなれば、交渉でも小さな国々は折れるところもありましょう。
あなたはなぜ戦争をしたいのですか?


王子:
交渉などという生易(なまやさ)しいことでは、機を見て裏切られるのがオチです。
武力で持って圧倒的な力の差を示しておかなければ、後が恐い。
一見平和になってから起こる反乱など、国民たちにも不安が広がるでしょう。
ですから、今戦争を起こすのは『真の平和を築くため』…ですよ。


姫 :
プッ…ウフフ。
あなたも冗談をおっしゃるのね。


王子:
はは、面白かったでしょう?


姫 :
ええ。平和のため、国民のため、だなんて。
ウフフ。あなたはただ、人を殺したいだけだわ。


王子:
そうです。それも一人や二人じゃない。
山ほどです。


姫 :
恐い人ね…。


王子:
あなたが言いますか。私の従者を突然刺し殺しておいて。


姫 :
正直なところ、このお部屋の絨毯の色が好きではなくて…。
私は赤が好きなのです。
ですから、つい。


王子:
つい、で人を殺すのは頂けませんよ、姫。


姫 :
お父様は従者ならいくらでも殺していいとおっしゃったわ?


王子:
国王様は姫君に甘くていらっしゃる…。


姫 :
でも他国の従者を殺したことは反省していますの。
本当にごめんなさい。許していただけるかしら。


王子:
いいのですよ。
私とあなたが結婚すれば、我が国の従者もあなたのものになります。


姫 :
…そうですね…


王子:
私が夫ではご不満ですか?


姫 :
いいえ、あなたがどうこうというわけではありませんわ。
ただ私は…生きている人間が大嫌いなの。


王子:
そうですか…。
それは…妬いてしまいますね。


姫 :
え…?


王子:
あなたは先ほどからずっと、死んで床に転がっている私の従者から目を離さない。


姫 :
それは…っ。
だって、ごらんになって?
この男は死んだのに、血はどんどん絨毯を伝って広がっていく。
もう動かないのに、死んでいるのに、まるで生きているみたいにじわじわと血液だけが広がって…
美しいと思わない?


王子:
血の流れる温かい死体がお好みなのですね。


姫 :
ええ、そうよ。


王子:
では今度の戦争はあなたのために起こしましょう。


姫 :
私のため…?


王子:
乾いた荒野が何万という人の血で潤う様は圧巻(あっかん)ですよ。


姫 :
…っ(顔を上げる)


王子:
ようやく私のほうを向いて下さいましたね。


姫 :
あなた…目が…


王子:
なにか?


姫 :
ウフフ......まるで死体のようなその漆黒の瞳に一体何を宿(やど)しているの?
ウィル・エイリアス・ブルームフィールド王子。


王子:
どうか、ウィルとお呼びください。


姫 :
…ウィル…


王子:
我が姫。
むせ返るような血の海で、結婚式を挙げましょう。
純白のウェディングドレスがじわじわと血を吸い取り、真っ赤に染まった時、
あなたは死に包まれる…。


姫 :
ああ、ウィル…とても素敵だわ!


王子:
共に、無意味で、無慈悲で、残酷な殺戮を。


姫 :
死が二人を分かつまで。





end.

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作者:レイフロ
ツイッター:@nana75927107

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