【狂気編】カルーア通りにはお金が落ちている(6人台本)

【六人声劇台本】
【男4:女2 恋愛/狂気/シリアス】
【所要時間目安:本編60分程度(後日談までやる場合は70分程度)】

●上記イメージ画像は、ツイキャスで生声劇する際のキャス画にお使い頂いても構いません。

●ご使用の際は、利用規約をご一読下さい。


【人物紹介】

♀アルメラ(24歳)
大きすぎるトラウマから逃げるため、常にほろ酔い状態。
ミテイトと半同棲状態ではあるが、恋人ではない。

♂ミテイト(22歳)
アルメラに惚れこんでいるが、現状彼女のお財布状態。
金策のために銀行強盗を働いている。
アルメラを守るために他にも裏で動いているらしい。アルメラとは出会って2年。

♀アイス(24歳)
変な商品を扱っている商売人。
夫のシェイクとはウザいくらいラブラブだが、それとは別で愛人募集中。

♂シェイク(25歳)
アイスの夫。氷細工の芸術家。
そのモデルとなる女性とは作品を作る時に必ず寝ている。
世界中を飛び回っているが、その正体には何か秘密があるらしい。

♂支配人(34歳)
カルーア通り銀行の総支配人。
爽やかで物腰柔らかい表の顔とは裏腹に、裏カジノのオーナーでもある。
アイスとは愛人関係。

♂男(30歳)
アルメラにトラウマを植えつけた張本人。
人身売買や未成年監禁等の罪で捕まるも、強大な力を持つ祖父の口利きで5年で刑務所から出所。アルメラへの固執は異常。
(※過激な発言や叫びがあるため、配役は十分注意して下さい)



↓生声劇張り付け用
――――――――
カルーア通りにはお金が落ちている狂気編
作:レイフロ
https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/7968812
アルメラ♀:
ミテイト ♂:
アイス ♀:
シェイク♂:
支配人♂&N:
男♂:
――――――――


★2023/2/13に「後日談」を追加しました★

 後日談はバレンタインのお話となっており、コメディ寄りです。

 声劇として上演する際、後日談はやってもやらなくても構いません。

 本編のみだと上演時間の目安は60分ですが、後日談を含めると70分となるため、

 必ず演者間で、上演前にやる・やらないを決めて下さい!

 






以下、台本です。
※声劇上演の場合、後日談までやるか決めてからやってください。
―――――――――――――――――――


男:
あはは!アルメラぁぁ!
俺は必ずお前んとこに帰ってくるからなぁ!!
お前はもう俺がいなきゃ生きていけねーんだ!
どんな手使ってでもお前を見つけ出すから待ってろよぉぉぉ!!








アルメラ:(飛び起きる)
いやっ!!はぁ、はぁ…

ミテイト:
アルメラ、大丈夫、落ち着いて。全部夢だ。

アルメラ:
は、早くプールに入らなくちゃ…!
カクテルのプールに…っ!!

(SE:バシャン←プールに入る音)

N:
アルメラは大きすぎる過去のトラウマから逃げていた。
甘い甘いカクテルで満たされたプールにとっぷりと浸かって、
何も考えなくて済むように、脳みそをアルコールで「馬鹿」にしている。

アルメラ:
はぁ…落ち着く。
今度から、寝る時もどうにかしてプールの中で寝ようかしら。

ミテイト:
ただでさえ室内にカクテルのプールを作るなんておかしなことをしてるのに…。
絶対ダメ!

アルメラ:
ほんとミテイトは口うるさい。
アタシはただ、ほろ酔いでフワフワしていたいのに…。
そうだ!明るい気持ちになれるように、次はファジーネーブルで泳ぎたいわぁ。

ミテイト:
簡単に言うけどさ、
このデカイ屋内プールのカクテルを入れ替えるのは、すごい金がかかるんだよ?!
アルコールを直接肌から吸収しないようにする、そのクリーム代も!

アルメラ:
ん?これ?

ミテイト:
そう!
あのエセ訪問販売員のアイスから買ってるその特製クリーム!
バカみたいに高いし!

アルメラ:
成分は良く分からないけれど、本当にアルコールを弾くのよ~?
肌内の水分は保湿したまま、外部の刺激は完全シャットアウト~!
必需品だわ!
それに背中は塗らせてあげてるでしょー?

ミテイト:
くっ…!
もうそれが唯一の楽しみと言っても過言ではないっっっ!!



(SE:着信音)

ミテイト:
電話だ…ちょっと外に出てくるよ。

アルメラ:
わかったわぁ。






ミテイト:
もしもし。準備は?

支配人:
出来ていますよ。
今日銀行が閉まる15時ギリギリに強盗に入って下さい。
武器はいつもの場所に用意してあるので好きに使って下さい。

ミテイト:
オーケー。難易度は上がってるんだな?

支配人:
えぇ。腕のいい警備員を配置しました。
彼らをどうするかが成功の鍵です。
出来れば一人くらい、派手にブチ殺してくれると観客は盛り上がるんですが。

ミテイト:
……。

支配人:
今までのようなスマートな銀行強盗もいいですが、
派手好きなお客様の財布を開くには、
それなりの高いパフォーマンスが必要なんですよ。
わかるでしょう?

ミテイト:
おかしな話だな。
これから押し入ろうとしているのは、
君が総支配人を勤める銀行だぞ?

支配人:
私は『カルーア通り銀行の総支配人』であると同時に、
裏カジノの『LIVE(ライブ)プレゼンター』でもあります。
リアルで刺激的な生放送を、
トチ狂ったお客様に提供したいのですよ。

ミテイト:
悪趣味だな。

支配人:
そのおかげで、あなたも多額の金を得ているのでは?
あなただって同じ穴の狢(むじな)ですよ。

ミテイト:
俺には金が要るんだ。

支配人:
好きな女が、カクテルでプールを作っているんでしたね?
でもそんなもので何億も金がいるとは思えない。
本当は何に使っているんです…?

ミテイト:
詮索はしない約束だろ。

支配人:
それに彼女は、
あなたが銀行強盗をしてお金を稼いでいると知っているのですか?

ミテイト:
そんな危ないことをしてるなんて言えるか!
彼女には…
『カルーア通りにはお金が落ちているから、資金はそこで拾ってくる』
と、嘘を…

支配人:
ふはは!それは傑作ですね!
そんな嘘を真に受けるとは、彼女は余程現実から逃げたいと見える…くっくっくっ。

ミテイト:
わ、笑うなっ!

支配人:
とーにーかーく!
『LIVE』のお客様には警視庁のトップも居ますから、
安心してぶっ殺してくれていいんですよ?
あなたの罪は、責任持ってもみ消しますから!

ミテイト:
…殺さない。

支配人:
あなたの、映画のようなスマートな銀行強盗っぷりにもファンはいますから、
それでも構いません。
でも、殺せば報酬は一気に跳ね上がりますよ?
残酷になればなるほど、報酬は青天井(あおてんじょう)です!

ミテイト:
……。

支配人:
フフ、お金を稼ぐのは楽じゃないですねぇ?
でも私は、あなたはきっと化けると思っていますので期待していますよ?
それでは。

(通話終了)



ミテイト:
チッ…















N:
同時刻、
アルメラとミテイトの友達でもあるアイスとシェイク夫妻は、
まだベッドの中でまどろんでいた。


アイス:(囁くように)
よく寝てる…。
2ヶ月ぶりの帰国だもんね。
納得のいく作品は出来たのかしら?
氷細工の芸術家さん♪

シェイク:
んん…

アイス:
無防備な寝顔…
女の力でも、男を絞め殺すことは出来るかしら…?

シェイク:(眠たそうに)
ん、できるよ…
上に乗っかって、喉仏を潰すように全体重をかけるんだ…

アイス:
やってもいい?

シェイク:
いいよ…。
「いつか君を殺してあげる」という約束は果たせなくなってしまうけど…。

アイス:
ダーメ!
あなたには絶対に私を殺してもらわなきゃ。

シェイク:
ああ、わかっているよ。僕の可愛い奥さん。

アイス:
フフ。あ、そうだ、ネットニュースに出てたわよ!
スイスで、氷づけの女性の遺体が見つかったって!

シェイク:
もう見つかったのか。早かったな。

アイス:
パパラッチが撮影した写真が出回ってるわ。
スマホの待ち受け画面にしようかなぁ。

シェイク:
そんな遠くから撮影した写真じゃなくて、
もっと綺麗に撮ったものがあるよ。
…ほら。

アイス:
なんて美しいのかしら!
まるで、氷の中にいることがこの女性の本来の姿なんじゃないかと錯覚しそうなほどだわ…。

シェイク:
彼女を落とすのは大変だったよ。
身体を許してもらえるまでに、1ヶ月以上かかってしまった。

アイス:
お疲れ様!(苦笑)
あなたの熱烈なアプローチに靡(なび)かないなんて、すごい子ね!

シェイク:
女性の魅力を最大限に引き出すためには、
モデルと寝ることは必須だからね。
でも苦労はしたけど、今回も最高傑作とまではいかなかった。

アイス:
氷細工の職人として最高傑作が出来るまでは、私とは寝ないのよね?

シェイク:
待たせてしまって本当にすまない。
でも君は特別なんだ。
殺した女を氷づけにするだけのただの殺人鬼だった僕を、本物の芸術家にしてくれた君は。

アイス:
あなたに最高に愛される日を、
楽しみにしてるわ♪

シェイク:
あぁ。
…それで、君の方はどうだい?
いま愛人は何人いる?

アイス:
んふふ、ヒミツー!
一番のお気に入りは、カルーア通り銀行の総支配人かな!
でも最近はミテイトも気になってる!ふふ。

シェイク:
ミテイト?!彼はやめなさい。
アルメラ一筋じゃないか。

アイス:
えぇ〜?

シェイク:
もし何かこじれそうになった時は言うんだよ?
僕がブチ殺してあげるからね。

アイス:
えぇ、ありがとうシェイク。愛してるわ。

シェイク:
僕も愛しているよ。
















N:
数日前。
マティーニ刑務所前にて、
一人の男が出所した。


男:
やーっと出られたぁぁぁ。
スーハー…旨いなぁ、5年ぶりのシャバの空気は!
祖父(ジジイ)のコネで色んなとこに根回しして刑を最大限軽く出来たものの、
5年はウザかったなぁ。
でも塀の中ってのは、やべーオトモダチを作るには最適な場所だってことも分かったし、
まぁいっか。
新たに出来た人脈を使えば、また“楽園”を作ることも出来るが…。
その前にまずは、俺の女を迎えに行かなきゃなんねーよなぁ?
必ず探し出してやるからなぁ?
…アルメラぁぁぁ。








アルメラN:
アタシは6年前、
彼氏だと思っていた人に1年間監禁されていたことがある。
初めて好きになった人だった。
…信じていた。



男(優しげな好青年で):
実は、ギムレット島っていう小さな無人島を祖父が持っていてね?
そこに別荘があるんだけど…。
あのさ、アルメラ。
夏休みに一緒に遊びに行かないか?

アルメラ:
え…?それって、あの…お泊りってこと?

男(優しげな好青年で):
うん、そう、なるかな。
無理にとは言わないんだけど…ダメ、かな?

アルメラ:
ううん…!嬉しい!行きたい!

男(優しげな好青年で):
そっか…!よかった、決まりだね!
内心ドキドキしていたんだけど嬉しいよ、
君と初めての旅行だ!


アルメラN:
彼氏との幸せな旅行になるはずだった…。
誰も知らない小さなギムレット島にある別荘に着くと、
そこには信じられないような光景が広がっていた。
何人もの虚ろな目をした女性たちが大勢、鎖に繋がれていたのだ。
訳がわからずただ驚くアタシに、男はついに本性を現した。


男:(豹変して)
アルメラぁ、楽園へようこそ!
今日からお前はここで俺と“カゾク”になるんだ。
見ろよ?
こぉんなに女がいる中で、お前は俺の一番になれるんだぜ?
嬉しいだろ?
これからはずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと一緒だ。

アルメラ:
…へ?な、何を言って…?

男:
お前は選ばれたんだよ。楽園の住人になるんだ。
お前は働かなくていいし、俺以外の誰とも関わらなくていいっ!
あぁ、金の事は心配するなァ?
ルートさえありゃいくらでも手に入るんだぜ?!
ここにいる女どもは、家出してフラフラしてる行くあてのないバカなやつらよ。
そんなのが街中にはゴロゴロと“落ちてる”んだからなぁ。
俺は女(ソレ)を“拾って”きて、
必要なヤツに売りゃーいい!あははは!!

アルメラ:
売るって、この人たちを?!
だ、誰に?売ってどうなるの…?!

男:
大体は海外さ。
美人なら、どこぞの大金持ちのド変態が買ってったり、
あとは娼婦を扱うブローカーもいるだろォ?
ブスでも臓器は高く売れるしぃ?
そうじゃなくたって改造武器の試し撃ちや、
新しい麻薬の試験体にも使い道があるし、
ニンゲン捨てるとこないよなァ?ふはは!

アルメラ:
う゛…っなんてことを…!

男:
そうそう!
前にさァ、非合法で飼ってるライオンの餌にするっつって、
纏(まと)め買いしてくれたヤツが居たぜ!
人間の肉が大好きなんだっってよォ!あははは!
世の中需要と供給で成り立ってるよなァ???

アルメラ:
そんな…
アタシは、あなたのこと、いい人だって…!
本気で、好きに…うぅ…(泣く)

男:
心配するなよアルメラ。
お前を売るわけがない。
アイシテルんだ。一目惚れなんだよ。
俺だけを見てくれ 俺だけを見てろ 俺以外見るな 俺が見ていないところで息をするなッ!!
…はぁはぁ…
俺が女を売ってお前のために金を稼ぐからな???
なぁんにも心配イラナイ。

だからお前は俺と…

たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっくさん
コドモを作ろうなァ???








アルメラN:
監禁されていた1年間で、
何人もの若い女性が連れてこられ、
何語か解らない怪しげな奴らに
定期的に引き渡されていった。
男はアタシを“妻”だと言ったが、
まるで奴隷だった。

ある日、家出の子から足がついて
島に突然、警官隊が突入してきた時も、
アタシはただボーッと一点を見つめていたという。



男:
あはは!アルメラぁぁ!
俺は必ずお前んとこに帰ってくるからなァ!!
お前はもう俺がいなきゃ生きていけねーんだ!
どんな手使ってでもお前を見つけ出すから待ってろよぉぉぉ!!



アルメラN:
保護されて病院で目を覚ましたアタシは、
「男は刑務所に入ったし、手術は成功したから安心していいよ」と言われた。
何の手術かと問うと、
ズタズタになった子宮を摘出したのだと告げられた。
「命があっただけでも幸運だった」
「助かって良かった」
「奇跡だ」
と、張り付いた笑顔で言われた。

…何も良くなかった。
何も。

警察に連行される男の夢を、この5年間幾度となく見た。
アタシはきっと、どこに逃げたとしても、
アイツから逃げられはしないのだろう…。

生きている限り、絶対に。


















N:
秘密の武器貯蔵庫にて。
ミテイト、銀行強盗開始10分前。


ミテイト:
トンファーやら青龍刀(せいりゅうとう)まである…誰が使うんだよ?
無難にハンドガンかな。
まぁ脅しにしか使わないけど。
警備員を殺せば報酬は跳ね上がると言われたが…殺さない。
俺が殺したい相手は、他にいるんだから。













N:
ほぼ同時刻。
カルーア通り銀行近くのラブホテルにて。


アイス:
ふぅ…あっつい…!
あ、もう15時よ!時間いいの?
『LIVE(ライブ)プレゼンター』さん?

支配人:
今日は他の者に司会を任せていますので、大丈夫です。
貴女とはつい長々とシてしまいますね、
真っ昼間だというのに(苦笑)

アイス:
しょうがないでしょ?
私たち身体の相性がいいもの。
…てゆーか!今日はミテイトが強盗に入るんでしょ?
もしかしたら彼が初めて人を殺すかもしれないのに、見逃すかもよ?

支配人:
どうせいつものスマートな銀行強盗で終わりますよ。
彼はきっと善良な人間は殺せない。

アイス:
ふーん。でも一応ふっかけたんでしょ?
「殺せば報酬は青天井(あおてんじょう)ですよー♪」とか言って。

支配人:
フフフ、よく分かりましたね?
彼の腕は確かですから、タガさえ外れてしまえば
恐ろしい化け物になる気がするんですよね。

アイス:
へぇ、そうなの。
ますます彼と寝たくなった!

支配人:
おや?では私はそろそろ用済みですか?
旦那さんが出張に出かけてしまった直後は
「寂しいから」と、いつも私を誘ってくれていたのに。

アイス:
安心して?しばらくはキープよ!
あんたとは相性が抜群だから!

支配人:
貴女のそういうサバサバしたところ好きですよ。
そういえば、私たちのことは旦那さんには秘密にしているんですか?

アイス:
ううん?
ちゃんと「カルーア通り銀行の総支配人とシテくるね」って言ってきたわ!

支配人:
相変わらず、ややこしい夫婦ですね。

アイス:
あんただって既婚者でしょ?
それに、愛がなければこんなのただのスポーツじゃない。

支配人:
はは、それは言えてますね。

アイス:
さ、やることやったし、私は帰るわ。
アルメラに、アルコールを弾くクリームを売りつけに行かないと!

支配人:
そうですか。
では、また寂しい時はいつでもお声がけ下さい?ミセス アイス。

アイス:
えぇ(苦笑)。
ではごきげんよう、カルーア通り銀行・総支配人さん?

(アイス去る。)








(SE:着信音)

支配人:
私だ。
…そうか、やはりミテイトは誰も殺さなかったか…わかった。
私もこの後いったん銀行に戻る。

(通話終了)

支配人:
今夜は因縁の相手と対峙(たいじ)するというのに、
こんな調子で本当に大丈夫なんでしょうか。
まぁ、私としてはこの際どちらでもいい、
たくさん血をが流れてくれればそれで…。フフフ。













ミテイト:
ふぅ。今回の銀行強盗は手こずった…。
相手を傷つけないように応戦するっていうのは骨が折れる…。

シェイク:
やぁ。

ミテイト:
シェイク!どうしてここに…!

シェイク:
君に話があってね。二人きりで話せるかな?
そこにバーがあるから入ろう。
完全個室がいいのなら、ラブホテルでもいいけど?

ミテイト:
ばっ、バーでいいっっ!









(Bar内)

シェイク:
で、話だが。
君は、アルメラのトラウマの原因となったあの男についての情報を集めているね。
だから知っていると思うけど、
彼は数日前、マティーニ刑務所から出所し
この街にも既に足を踏み入れている。

ミテイト:
なぜそれをっ!!

シェイク:
君は大金をつぎ込んで刑務所内に刺客を送り、あの男を仕留めようとした。
だが、あいつは強大な力を持つ祖父を使って、
刑務所内で自分を守ってくれるボディガードを雇っていたんだ。

ミテイト:
やはりそうだったか…!
俺が送り込んだ刺客は5年間で3人。
銀行強盗で稼いだ金を使って
苦労して送り込んだのに、全員ブチ殺されたよ。

シェイク:
君は、愛するアルメラの害となりそうな者は徹底的に調べているようだけど、
僕のことはどこまで知っている?

ミテイト:
自称・氷細工の芸術家…。
あんたの行く先々では、美女の氷づけの死体が見つかっている。
でも優秀な探偵を雇っても、
現場を押さえることは一度も出来なかった。

シェイク:
そこまで知っていて、よく僕と普通に接してくれていたね?
アルメラに害が及ぶと思わなかったか?

ミテイト:
あんたはイカレてるが、芸術家としての信念は本物だ。
アルメラがモデルを引き受けない限り、
彼女に手を出す事はしないはず。

シェイク:
はは、芸術家として認めてくれて嬉しいよ!
…僕はアルメラをモデルにしたい。
理由は違えど、あの男を排除したいという点で
君とは目的が一致しているんだよ。

ミテイト:
答えろ。
アルメラが万が一モデルを引き受けたら…
彼女を殺すのか?

シェイク:
僕は最高傑作を作ることが出来たら芸術家を引退する。
…そのために彼女の死が必要であるのなら、
僕はアルメラを殺そう。

ミテイト:
……。

シェイク:
ふふ。でもまずは目の前の脅威だ!
僕も協力するよ?
だが、また暗殺者を雇おうとしているならやめた方がいい。
どうせ返り討ちだ。

ミテイト:
俺はアルメラの心に、身体に、傷を負わせたあの男を許す気はないッ!
今回の銀行強盗で得た金は、
ヤツを誰にも邪魔されずに殺すための舞台を作るために使った。

シェイク:
ほう?ヤツを殺すための舞台か!面白い!

ミテイト:
協力すると言うなら、とある場所にヤツを誘導する役を頼みたい。
出来れば、アイスと一緒だと自然だと思う。

シェイク:
フフフ、了解だ。
慎んで引き受けようじゃないか!














N:
同日、22時。
アルメラの家の前にて。


男:
アールーメーラぁぁぁ?
ココにいるのは判ってるんだぞぉ?
愛しい愛しいダンナサマが迎えに来たぞぉぉぉ?
…あ?なんだこの部屋…プールか?
しかもこの甘い匂いは…?

シェイク:
やぁ、こんばんは!

アイス:
プールの中味はカクテルよ。

男:
あぁン?誰だ貴様ら。
なんで男がアルメラの家にいる?!?
…さてはあのクソビッチ浮気してやがったな!?
俺という夫がいながら裏切りやがったのか!
クソムカつくクソムカつくクソムカつく!
許さねぇぞ!!あ゛あ゛あああああ!!

シェイク:(小声で)
思った以上にイッちゃってるヤツのようだね。

アイス:(小声で)
えぇ。ここは下出(したで)に出た方がよさそうだわ。

男:
オイ貴様らぁ!アルメラをどこにやったァァァ!

シェイク:
落ち着いて下さい。
僕たちはアルメラさんから伝言を預っているんです!

アイス:
「アタシの“夫”がもうすぐここにくるから、伝えて欲しい」って言われたのよ?

男:
“アタシの夫”…?
アルメラがそう言ったのか?!
ふふ、取り乱して悪かったなぁ?
…で、俺の女は今どこにいる。

アイス:
実はアルメラさん、
悪徳(あくとく)な金貸しに騙されて、
とんでもない借金を背負ってしまったらしくて…
借金取りに連れて行かれてしまったんです!

シェイク:
僕たちは隣に住んでいる夫婦でして、
たまたまその現場を見かけた時に、伝言を頼まれまして…。

男:
んだとぉぉぉ?!
どこに連れて行かれたか言え!!
今すぐ言わねーとブチ殺すぞッ!!

アイス:
ら、乱暴はやめて下さいっ!
地図を書いておきましたから!
あと、このIDカードが無きゃ入れないらしくて
アルメラさんが、1枚だけ奴らからスッたみたいです。

シェイク:
そこは「裏カジノ」がある場所なんです。
アルメラさん、借金のかたに売られてしまうのでは?!

男:
てめぇら、このことは誰にも言うなよ。
もし誰かに言ったら、地の果てまで追ってってライオンの生餌(いきえ)にしてやる…
顔はしっかり覚えたからなァ?返事わァ???

アイス:
わ、わかりましたっ!
絶対に誰にも言いません!

男:
よォし。アルメラ、今すぐ迎えにいくからなァァ!


(SE:走り去る音)







アイス:
ふぅ…冷や冷やしたぁ。
あいつに渡した特別なIDカードは1枚だけ。
あいつの取り巻き連中は、中には入れないはずよね?

シェイク:
あぁ。裏カジノには、いくら金を積んでも
あの腐れ銀行の総支配人が首を縦に振らない限り、カードがないと入れないからね。

アイス:
言い方に毒がこもってるように聞こえるのは気のせい?

シェイク:
アイツは君の愛人だろ?!

アイス:
妬いてるの~?シェイクったら!
ふふ(心底嬉しそうにする)

シェイク:
ゴホンっ…とにかく!
僕らに出来るのはとりあえずここまで。
あとはミテイトの本気を見せてもらおうじゃないか…。















支配人:
レディース&ジェントルメン!
お待たせ致しました!
お集まり頂きました皆様には、今宵、特別なショーをご覧に入れましょう!
ここに居りますは、本日の豪華商品!
カクテルに浸かっていないと死んでしまうという美しい姫っっ!
今回はこちらが用意した戦士と、
お客様の中から参加者を1名募り、
命をかけたバトルを行って頂きます!
ヤラセなしの生死をかけたデスバトルを、ぜひお楽しみ下さい!
掛け金は一口100万円からです!




アルメラ:
あの男から匿(かくま)ってくれるっていうからついてきたのに、
こんな檻(おり)に入れられて!
しかもアタシが「商品」って、どういうことなのミテイト!

ミテイト:
逃げたってヤツはどこまでも追ってくる。
だったら、今日ここで決着をつけるしかないんだ。

アルメラ:
ちょっと、まさかとは思うけど、アイツと戦う気じゃないでしょうね!?
やめて、死んじゃうわ!
アイツがどれだけ強いか…

ミテイト:
分かってる。

アルメラ:
分かってないわ!
ヤツがどれほど恐ろしい男か、
アナタは会ったことがないからわかってないわよ!

ミテイト:
君も分かってないよ。
俺がどれだけ君を好きなのか…解ってない。

アルメラ:
お願い、ミテイトやめて!
アナタが死ぬところを見るくらいなら、
自分が死んだ方がマシなの…お願い…(泣く) 

ミテイト:
知ってた?俺はすごく嫉妬深いんだよ?
君が笑うなら、その隣には俺がいなくちゃいけない。
君が泣くのなら、その理由は俺じゃなきゃいけない。
傲慢(ごうまん)さでいうのなら、俺もアイツと変わりないのかもしれない。
君をなんとしてでも手に入れたいという点ではね。
…でも俺は、君に選ばれたいんだ。
無理やり手に入れるんじゃなくて、選ばれたい。

アルメラ:
…っバカよ…アナタは本当に大バカだわ!



支配人:
さぁ皆様!ついに挑戦者が現れました!!
(声を潜めて)
…本当に参加されるのですね?
このバトルはどちらかが死ぬまで、終わりませんよ?

男:
さっき係りのヤツからも聞いた。
相手も殺しても罪にはならねーってなァ?
最高じゃねーか!
アルメラぁぁぁ?ようやく見つけたぞォ?

アルメラ:
…ひっ…!

男:
会いたかった会いたかった会いたかった会いたかったァ!!
こんなとこ早く出て、また俺とカゾクになろうぜぇ??
死ぬほどアイシテやるから何匹でもガキを作っ…
あぁ、そういえば聞いたぜ?
お前手術したんだってなぁ?壊れちゃったんだろ??可哀想にナァ??
…って、俺が壊したんだったァァあははは!!

アルメラ:
う゛…っぐ…(吐気を抑える)

ミテイト:
…アルメラ。辛いだろうけど見ていてくれ。
長く続いた悪夢は、今日必ず終わらせる。

アルメラ:
ミテイト…。



支配人:
こちらが用意する戦士は、
「LIVE」ではお馴染みの銀行強盗、ミテイト!!
ルールは簡単!
用意された特設ステージ内で殺し合うだけです!
武器はランダムで床から出現しますので、使いたい方はそれを拾って戦って下さぁい。

男:
殺していいんだなァ?
この優男(やさおとこ)を殺すだけでアルメラを取り戻せるわけだ!!
こんなんショーになるのかァ?
すーぐ終わっちまうぜー??ぎゃははは

支配人:(小声で) 
ミテイト。本当にいいんですね?
約束通り、贔屓(ひいき)はしませんよ?
あのキチガイが勝ったら、私は彼女を容赦なく差し出します。
私としてはどちらが勝っても利益になりますからね。

ミテイト:
あぁ、わかってる。




[観客席にて]

アイス:
間に合ったわね!これから始まるみたい。

シェイク:
さぁ、あとは僕たちも楽しもうじゃないか!どっちに賭ける?
…って、アイス震えてるね、大丈夫かい?

アイス:
ミテイトが死ぬかもしれないのよ?!
まだ彼とは寝てないのにぃっ!!!

シェイク:
そんな力いっぱい言わなくても…

アイス:
私はもちろんミテイトに賭ける!
あなたももちろんミテイトに賭けるわよね?

シェイク:
え?うーん…

アイス:(声大きく)
ミテイトー!絶対に勝ってねー!!



男:
ん?
あの観客席にいる奴ら、さっきアルメラの家にいた夫婦じゃねーか。
なぁんか変だなァ???
もしかしてこれは罠なのか?
さては、アルメラの浮気相手はテメーかァ?!優男(やさおとこ)!

ミテイト:
浮気相手なんかじゃない。
あんたはアルメラの夫でもなければ、彼氏ですらないんだから。

男:
あァ?!
だったらテメーはアルメラの何なんだ?!

ミテイト:
俺も彼女の何でもない。
…俺がアルメラに会った時は、もうあんたは塀の中にいて、
彼女は精神的に壊れる寸前だった。
彼女の自殺を、俺が止めたんだ!

男:
そりゃ愛する男がムショに入っちまったんじゃ、ショックで自殺しようともするよなァ?
だーけーどー?
寂しさを紛らわすためとは言え、こんなヤツと浮気なんて許さねーぞォ???

アルメラ:
う…うっ…もうやめて…アタシのことはほっといてよ!どうして追ってくるのよぉ…

男:
女と言やぁ、ヤれるかどうか、売れるかどうかでしか見れなかった俺が、
人生で初めてヒトメボレしたんだ!
手に入れて愛しまくって何ガ悪い!!
最期までセキニン取ってやろうと、ちゃーんとここまで迎えに来ただろォ??
献身的な夫が、一生愛してやるっつってんのに一体何が不満なんだこのクソ女(あま)ァァァ!!

アルメラ:
もう許して…っうぅ…

アイス:
あの男のやり方には虫唾(むしず)が走るけど、
でも嫉妬心に関してはちょっと素敵…。

シェイク:
それは聞き捨てならないな!
俺は狂おしいほど君を愛してる!
あの男よりずっと狂気的だけど、まだ不満かな?

アイス:
まだ不満よ!
もっともっと私に嫉妬してちょーだい?
ん〜(目を閉じる)

シェイク&アイス:
ちゅちゅちゅちゅちゅ
(↑リップ音ではなく字面のまま読んでくださいw)

ミテイト:
(観客席をチラ見して呆れたように)
あいつらこんなところでもイチャつきやがって…。
とにかくだ!
あんたが全く話の通じないヤツだってことは分かった。
やはり殺すしか道はないみたいだ。

男:
キモいんだよ、クソヤロー!!
人の女を横取りしようとしやがって。
死んで反省すんのはてめぇの方だぜ。

支配人:
それでは、観客の皆様のBET(ベット)も一時締め切りと致しまして、
そろそろショーを始めたいと思います!
ステージの周りには、ボクシングのリングと同じゴムが張られておりますが、
ステージ外に落ちますと、
多分恐らく絶対に!大変なことになりますのでご注意を!
…ご覧下さいッッ!

アルメラ:
ステージの周りに、剣山(けんざん)みたいな針がっ…!

支配人:
ステージから落ちれば串刺しは免れませーん!

アイス:
ミテイト、勝算はあるのかしら?
これだけのオーディエンスの前で、不正も何も出来ないだろうし…。

シェイク:
不正なんてしないさ。
アルメラのトラウマの根源は、「信じていた人に嘘をつかれた」ことだからね。
不正をして騙してあの男に勝ったとしても、
アルメラがミテイトに靡(なび)く事は一生無くなるだろうさ。

アイス:
そんなこと言ったって死んだら意味ないじゃない!
恋のために命を賭けるの?

シェイク:
男というのは、バカな生き物なんだよ。




支配人:
では、美しい姫を賭けたデスマッチ!スタートです!!

男:
どっからでもかかってきやがれ!
観客を沸かせれば沸かせるほど、賞金はアップするんだってよォ!
テメーの首をポキッと折っちまうより、
派手にぶっ殺した方が特ってわけよ!

ミテイト:
お前をぶっ殺せれば俺は金なんてどうだっていい!ハァッ!

男:
(パンチを受け止める)
ふはは、殺気だけはすげーが、軽いパンチだなァ?オラァ!

ミテイト:
(カウンターをくらう) 
ぐッ…!

男:
(殴りながら)
本当にッ大丈夫かァ?!
カッコつけるのは勝手だが!
これじゃあ弱い者イジメになっちまう!

ミテイト:
が、は…っ!はぁ、はぁ…

アルメラ:
ミテイト!お願い、今からでも棄権してっ!

男:
観客どもを見てみろぉ?
血走った目で涎垂らして、もっと血を見たがってる!
棄権なんて認められるわけがねぇ!

アルメラ:
ミテイトに何かしたら許さないんだから!!

男:
ほォ?そいつは楽しみだなァ?
何をどうユルサナイッテェ???

アルメラ:
ひっ…

ミテイト:
よそ見してるとはいい度胸じゃねーかッ!(カッターで切りつける)

男:
あぁ゛ん?痛ぇなコラァァ!

支配人:
男が気を取られている間にミテイトが使ったのは、
第一の武器!カッターです!!
男の鍛え上げられた太い右腕に当たりましたが、すぐに折れてしまいました!
このように武器はランダムで、床に設置された装置から出現してきますので、取ったもの勝ちです!

男:
さっきまでは様子見ってか?
まぁ片方だけが単にボコられても盛りあがんねーしなぁ?
楽しくなってきやがったぜ!!

アイス:
ミテイトは完全に武器頼りよね。
肉弾戦では勝ち目がないもの…。

シェイク:
そうだね。
カッターはちょうど良く彼の目の前の床から出現したが、今後もそうなるとは限らない…。

支配人:
さぁ、次に出てくる武器は、一体なんでしょうかぁぁ?!

男:
おっと!ナイフじゃねーかァ!
俺の方が近、い…!なにぃ?!!?

アルメラ:
え?今、何が起こったの?
確かに男の近くにナイフが出てきたはずなのに!
ミテイトの方が先に取った…!

ミテイト:
へぇ。
KA-BAR(ケーバー)のミリタリーファイティングナイフか。いいね。

男:
てめぇ…なんだ今の動き!

ミテイト:
本気で来いよ。
油断したお前に勝ったってしょうがないんだ。
アルメラが二度とお前の夢すら見ないように、徹底的に叩き潰してやらないとな!

男:
イチイチイチイチ癇(かん)に障るンダヨ!!
武器頼みのヒヨッコが、調子に乗ってんじゃねぇぇぇッッ!!

ミテイト:
まるでイノシシだな。
簡単に避けられるっ、ぜッ!

男:
ぐっ…!
フン、避けたついでにナイフで切りつけてくる、か。
でもそんな浅い攻撃じゃ俺は殺せねーぜぇ?

アイス:
(少し惚れ惚れした感じで)
シェイク…あの身のこなし、ミテイトって何者なの?
いつも銀行強盗を軽くこなして来てるのは、伊達じゃないってわけ?

シェイク:
アイス!なんか目が輝いてないかい?!
ダメだよ!あんな男に心奪われちゃあ!!

アルメラ:
ミテイト!油断しちゃダメよ!
そいつの強さはそんなもんじゃ…!

男:
アルメラはよく分かってるなァァ?
さすがは俺のオンナだッ!くらえやッ!!

(SE:バチバチ←電気が流れるような音)

ミテイト:
う゛あ゛ああああああああ゛あ゛!!

男:
ナイフが出てきた時に、このスタンガンも俺の真後ろに出てきてたんだよなぁ。
あーあ、こうやって馬乗りになれば動けネーなぁ?

ミテイト:
グっう…!

男:
それにぃ、ナイフを取った時に、お前カッターを捨てたろぉ?
ちょっとくらい刃が折れたからって、まだ使えるんだからァ?
あはは、落し物は返すぜッ!!

(SE:グサグサグサ←刺さる音)

ミテイト:
ぐあぁぁぁぁ゛ああぁぁッッ!!

アルメラ:
いやぁ!!ミテイト!!

男:
あーあ右肩が血だらけだァ?
これじゃーろくにナイフも扱えねーなァ?
ただでさえひ弱な攻撃だったのに、
利き腕が使えないなんて致命的かなァァァ???

ミテイト:
はぁはぁ…っ
ふ、はは…果たして、そうかな…?

(SE:刺さる音)

男:
ああああああ゛あ゛あ゛!!

支配人:
なんと!ミテイトが、いつの間にかナイフを左手に持ち替えて、男の脇腹に刺したーっっ!!

アイス:
やったわ!!
いつの間にナイフを持ち替えてたの?!

シェイク:
男にスタンガンを当てられた時だよ。
わき腹に深くまで刺さっている…
彼はどうやら左利きだったみたいだね。

アイス:
え?右利きのはずだわ!
殴るときだって右手だったじゃない!

シェイク:
フェイクだよ。
効き手を隠しておくだなんて…なかなかやるね!

男:
ふざけ゛や゛がってーーー!!!

アルメラ:
ナイフが刺さったまま立ち上がったわ!
でもっ…どうしてあまり血が出ていないのッ?!

ミテイト:
くっそ、この筋肉ダルマめ…っ!ぐっ…!

シェイク:
あのナイフを抜かないと大きなダメージは与えられない!
対してミテイトは…。

アイス:
立ち上がったけど、右肩からの出血がひどいわ…!

男:
楽しくなってきたなァァ??
俺のわき腹に、こんな素敵なアクセサリーまで付けてくれてアリガトナァ??
ひはは!絶対にぶっ殺してやる!!

支配人:
素晴らしい!!
なんと素晴らしいバトルでしょうか!!
皆様!第二次のBET(ベット)も受け付けております!!
さぁ!!どんどん賭けて下さいッ!!

アルメラ:
見てられないわ…っうぅ…(泣く)

ミテイト:
アルメラ、目を逸らしちゃダメだ…!
しっかり見ていてくれ。

アルメラ:
恐いわ…!すごく恐い…!

ミテイト:
分かってる。
でも必ず君のトラウマを消してあげるから。
見届けてくれ!
はぁぁぁぁっ!

男:
ぶっ殺してやらぁぁ!!!

アルメラ:(小声)
…違うの、…アタシが恐いのはもうその男じゃない…
ミテイトがいなくなってしまうことが恐いの…っ!

支配人:
なんとっ!!
ここで男の目の前の床から、拳銃が出てきましたッ!!
銃には弾が1発だけ入っています!!
これで勝負が決まるのでしょうかッ!!

男:
これで終わりだァァァァァ!!!
(銃をかまえる)

ミテイト:
しまったッッ…!

アルメラ:(叫ぶ)
『ディラン…っ! 
“愛してるわ” …っ!!! 』

男:
アルメラ…っ俺の名前を…!

(SE:銃声)

シェイク:
アルメラに気を取られて弾が外れたっっ!!

支配人:
その隙にミテイトが懐(ふところ)に飛び込んで、刺さっているナイフを引き抜いたーーーッッ!!

男:
ぐはぁああ…ッッッ!!

支配人:
ああああ皆様見て下さいっ!
血があんなにドバドバ吹き出てっっ!!
男がついに膝をつきましたぁぁぁ!!

ミテイト:
はぁ、はぁ…っ、やったか…?

男:
ふ、フフフ。聞いたかァ?
アルメラが、俺を、俺の名前を、呼んで、
ア、愛してるってよォ。

ミテイト:
お前の気を逸らすためだ…っ!
本心なんかじゃない…!

男:
あはは!だとしても???
お前は失敗したンだヨ???
俺の気を引くために、アルメラは“本気の嘘”をついたンだ!!
アイツの心にはしっかり俺が刻み込まれたッ!!
もう完全に消すことは出来ないッ!!!
ははハはざまぁみろォォォ!!!

ミテイト:
……今すぐ、 死  ね

男:
あはははハハ!!
アルメラぁぁぁ夢で会おウなァァァ???????

(SE:刺さる音)

支配人:
あぁ…ナイフが男の心臓を貫きましたッ!!
イイですよ、ミテイト!!
もっと殺れッッ!!

男:
ぐはっ…ひひっ、あるめらは一生、おれ、の゛…

ミテイト:
黙れッ!!
お前がこれまでやってきた罪の分だけ、
その身に穴を開けてやるッ!!

支配人:
ミテイトが男を引きずってステージの端にっ!
ステージの周りには無数の剣山があります!
観客の皆様も期待で目が輝いていますねふふふ…。
さぁ!!落とせッ!!落とせッ!!

ミテイト:
お前のために用意した針山だ。

男:
ひひ、

ミテイト:
…地獄へ落ちろ。

(SE:刺さる音)

男:
ぐぇ…ア゛、…メ、ら…(絶命)

支配人:
んんン…!皆様ご覧下さい!
全身を串刺しにされて…ああ、なんて素晴らしい…!!
ジュルおっと、涎(よだれ)が…コホン、失礼しました。
挑戦者死亡により、勝者・ミテイト!!

ミテイト:
はぁ、はぁ……

アイス:
やった!!勝ったわ!!ミテイトが勝った!!

シェイク:
ああ。勝つには勝ったが…

支配人:
おめでとうございますミテイト!!
さぁ、姫はあなたのモノです!
檻の鍵をどうぞ?
…ふふふ、イイ目をしていますね、ミテイト。本物の殺人者の目です。

ミテイト:
……。


(SE:檻を開ける音)


ミテイト:
アルメラ…俺…

アルメラ:
バカっ!!バカバカバカバカバカ!!!

ミテイト:
…。

アルメラ:
…っ、なんて目してるのよ!このバカ!
目を覚ましなさいっ!!

(SE:パァン)

ミテイト:
痛った!!え?ガチの平手打ち?!
アルメラ!俺これでもがんばっ…

アルメラ:(遮るように)
アンタは銀行強盗でも暗殺者でもないの…っ!
バカでバカでバカなアタシの下僕!!
いい?!わかった?!

ミテイト:
あっ、はい!!…ごめんなさ…っっ!!
(抱きしめられて言葉を失う)

アルメラ:
心配したんだからぁ…ふぇぇぇ(子どもみたいに泣く)

ミテイト:
うぅ…そんな抱きしめられると右肩が超絶痛い…、けど、うれし…
じゃなくて!ごめん、アルメラ…もう大丈夫だから…。











N:
男は死に、そのことは闇に葬られた。
ミテイトの右肩の裂傷(れっしょう)は思った以上に酷く、完治までには長いリハビリが必要だという。
アルメラのトラウマが消えたかどうかも、まだわからない。
だが、アルメラとミテイトはこの出来事を期に、ようやく関係が進展……
したわけでもなかった。



アルメラ:
ねぇ、次は何のカクテルにするー?
特別に色を選ばせてあげてもいいわよー?

ミテイト:
えっ!?まだカクテルのプールに入る気なのか?!
冗談だろ?!

アルメラ:
そんなすぐに今までの習慣をやめられるわけないでしょー?

ミテイト:
いやいや!俺まだ怪我も治ってないし!
銀行強t…じゃなくて、
“カルーア通りにお金を拾いに行く”ことも難しいよ!

アイス:
ちょっとちょっとー!カクテルのプールをやめてもらっちゃ困る!
私だってこのクリームを買ってもらわなくちゃ困るもの!

シェイク:
そうだそうだ!
君は黙って、カルーア通りからお金を拾ってきたまえ!

アルメラ:
もう!またアンタたちは勝手に人の家に入ってきて!

アイス:
だって鍵が開いてたもん!ねー!

シェイク:
ねー!ん~…(←キスしようとする)

シェイク&アイス:
ちゅちゅちゅちゅちゅ
(↑ガチのリップ音ではなく、ギャグっぽくていいので字面通りに読んで下さいw)

アルメラ:
うっっっっざ!!

シェイク:
それで?
脅威(きょうい)も去ったことだし、君たちは無事付き合うことになったのかな?

アルメラ:
はぁ?なんでそうなるのよ!

アイス:
いや、だって、ミテイトは命がけであんたのために戦ったんじゃない!
グッとくるでしょ普通!

アルメラ:
そんなの知らな~い。
はぁ、忙しい忙しい…

アイス:
ミテイト!あんな薄情な女の一体どこが好きなわけ?!

ミテイト:
いいんだよ。アルメラは…
俺が好きになった人は、こういう人なんだ。

アイス:
でもあまりにも…

シェイク:
アイス。人様の恋愛に口出しは野暮だよ?
ほら、アルメラも忙しいみたいだし、今日は帰ろう。

アイス:
わかったわ。
…ミテイト、私ならいつでも寝てあげるから声かけてね!

シェイク:
僕はアルメラを氷細工のモデルにする件、
1ミリも諦めてないからよろしく頼むよ!
あとアイスと寝たら殺すよ!

ミテイト:
勝手なことばっかり言いやがって!帰れ帰れ!!

アイス:
んふふ、またね~!


シェイク:
はぁ…。
アルメラをモデルにするのはやはりしばらくは無理そうだなぁ。

アイス:
残念ね。

シェイク:
最高傑作が出来たら君を思いきり抱いて、
そして望み通り殺してあげようと思っているのに…
なかなか実現しないものだなぁ。

アイス:
現実はそう上手くは行かないもんよ。

シェイク:
そうだね。
でも焦らされれば焦らされるほど楽しみになるとも言えるじゃないか!

アイス:
んふふ。
もっともっとお互いの“好き”を溜めた末に、あなたと寝られたら…
もうそれだけで死んじゃうかもしれないわ!

シェイク:
それだと僕まで死んでしまう可能性すらあるなぁ。
…くく、楽しみだ!そんな結末も悪くない!

アイス:
愛してるわ、シェイク。

シェイク:
僕も愛してるよ、アイス。












ミテイト:
はぁ…(深いため息)

アルメラ:
ちょっとー?何やってるのー?
アイツらは帰ったのー?

ミテイト:
うん、帰ったよ。

アルメラ:
深いため息なんかついてどうしたの?
陰気臭いのは嫌(や)ーよ?

ミテイト:
俺、「アルメラの悪夢を終わらせる」なんて大見栄(おおみえ)きっといて…
結局君のトラウマを完全に消すことは出来なかった…。

アルメラ:
…そうね。アタシにはまだ、カクテルが必要だわ。

ミテイト:
ごめん…。

アルメラ:
だからほら!
まだまだお金が必要だから、アナタには稼いでもらわないと!
“カルーア通りにはお金が落ちている”んでしょ?

ミテイト:
アルメラ…!俺をまだ必要としてくれるのか?

アルメラ:
やーね!必要なのはお金よ!あと甘い甘いカクテル!

ミテイト:
ぐっ…

アルメラ:
ほら!ぼーとしてないで早く来なさいよ。

ミテイト:
え?どこに?

アルメラ:
もちろんカクテルのプールよ!
一緒に入りたいんじゃなかったの?!

ミテイト:
…え!入る!!
入るに決まってるじゃないか!!
…やっっっった!!







N:
二人の関係については、訂正しましょう。
「進展するのはこれから!」、にね。






-----------------------------

※本編はここまでで終了です。後日談をやらない場合はここで終わって下さい。

-----------------------------





N:
後日談「カルーア通りのバレンタイン」


 
※「男」⇒「ディラン」という表記になります。
※回想中、ディランは優しい彼氏で。
  

【回想】

アルメラ:
ディラン…!あの…!
 
ディラン:
ん?どうしたんだい、アルメラ。
なんだか今日の君はそわそわしているね?
 
アルメラ:
えっと、だって…今日はバレンタインでしょう?
だから、その…えっとね…
 
ディラン:
うん、ゆっくりでいいよ。
 
アルメラ:
あの…ご、ごめんなさい…!
実は、チョコ手作りしようと思ったらその…失敗しちゃって…
 
ディラン:
失敗?怪我とかしなかったかい?!
 
アルメラ:
うん、大丈夫…。
でも何回も失敗しちゃったから結局出来なくて…。
今回は買ったチョコレートなの…それでも貰ってくれる?
 
ディラン:
もちろんだよ。頑張ってくれてありがとう。
アルメラ、せっかくだから一緒に食べないか?甘いの好きだろう?
 
アルメラ:
…うん!ありがとうディラン…!
 
 【回想終了】
 


※以降、ディランは本性をあらわして演じて下さい。
 
 
 
ディラン(幽霊):
死に切れんッッ!!!!
俺は愛する妻を残して死んだというのに世はバレンタインで浮かれてるだと?!
付き合っている頃はあんなに可愛らしく俺とバレンタインを過ごしてくれたアルメラのことが気がかりすぎて、地獄の鬼をぶっ飛ばして戻ってきてやったぜ、ざまぁみろ!
幽霊だろうが関係ねぇ!何処だアルメラあああ!
 
 
 
(間)
 
 
 
アイス:
ねぇ、シェイク?
カルーア通りにあるチョコレートの期間限定のお店ってこの辺りじゃない?
 
シェイク:
そうだねぇ。んーと…あった!あそこだ!
 
アイス:
すごく高いみたいだけど…本当にいいの?
 
シェイク:
当たり前じゃないか!
バレンタインだよ?年に一度だよ?
愛するキミにプレゼント出来るなんて僕は幸せ者さ!
 
アイス:
もう、シェイクったら~!
 
支配人:
ミセス・アイス?
普通バレンタインは女性から男性にあげるものなのでは?
 
アイス:
あら、こんなところで会うなんて珍しいわね!
カルーア通り銀行の総支配人さん?
 
支配人:
いやぁ、すっかり寝坊しましてね。
夜は『イロイロと』忙しいもので。
最近呼んでくれないと思ったら、旦那さんがまた帰ってきていたんですね。
 
シェイク:(わざとらしく咳払い)
ゴホンゴホン!!
 
アイス:
あ、シェイクはちゃんと話すの初めてだったわね!
こちらカルーア通り銀行の…
 
シェイク:(機嫌悪そうに)
カルーア通り銀行の総支配人にして、裏カジノのLIVEプレゼンター。
34歳、既婚者、身長180cm、体重66キロ。
昼間は勤勉・誠実、夜は血を見て興奮するタイプのド変態。
あと女をとにかくとっかえひっかえとっかえひっかえ!!
…何か間違っていることは?
 
支配人:
あはは、いいえ、ありません。
さすがはミセス・アイスの旦那様ですね。
ですが、醜い嫉妬が丸出しですよ?
奥様への愛が死ぬほど重いのは、どうやら事実のようですね。
シェイク:
おい、喧嘩を売るなら相手を選べよ?
二度と裏カジノの司会者は出来ないと思え。
 
アイス:
シェイクーかっこいー!
 
支配人:
そういう貴方もどうかお気をつけて。
ミセス・アイスがいつまでも付いてくるなどと、思わないことです。
 
アイス:
そうだそうだーっ!
 
シェイク&支配人:
ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ
 
 
ディラン(幽霊):
なんだアイツらは。雑魚が大通りでイキがりやがって、クソむかつく。
それよりもこの辺りで、フンフン(嗅ぐ)
アルメラのニオイが…フンフン(嗅ぐ)
 
アルメラ:
あーっ!路上イチャイチャ迷惑夫婦!
 
ミテイト:
…と、変態LIVEプレゼンターじゃねーか!
こんなところで何してんだよ?
 
アイス:
バレンタインも近いから、私はシェイクにチョコ買ってもらおうと思ってー
 
支配人:
だから逆ですって…
 
シェイク:
君たちこそ二人でデートなんて珍しいじゃないか。
アルメラ、とうとう君もミテイトを彼氏に?!?!
 
アルメラ:
はぁぁぁ?!違うし!は?違うし?はぁ?!違うんですけどぉ?
 
ディラン(幽霊):
アルメラー!ようやく見つけた!
やっぱりそうだよな?そんな優男(やさおとこ)が彼氏なわけがねぇ!
どっか行きやがれこの虫けらがっ!フンっフンッ!(殴る)
 
ミテイト:(悪寒に震える)
…ぶるるるっ???
 
アルメラ:
どしたのミテイト、変な声出して。
 
ミテイト:
いや…なんか今すごい悪寒が…
 
ディラン(幽霊):
呪いだ!呪いをかけてやる!アルメラをかえせぇぇぇ
はんにゃーはらーみーたーえろいむえっさいむー(適当に)
 
ミテイト:(ブルブル震えながら)
なっなんかやばいかもっ!悪寒がすごい!風邪ひいたかもっ!
 
アルメラ:
何言ってんのー?
ミテイトが限定のチョコ買ってくれるっていうから、
わざわざカクテルのプールから出て来たっていうのにぃ!
 
支配人:
貴方も買ってもらう側ですか!
 
アルメラ:
人聞き悪いんですけど!
アタシはちゃんと、その、ミテイトに、あ、あげたわよ。
 
アルメラ以外全員で:
えええええええ!!
支配人:
え…?
どうしてミテイトまで驚いているんです?
貰ったのでしょう?
 
ミテイト:
もしかして昨日のあれ…やっぱり…チョコレート…?
 
アイス:
どういうこと?!
 
ミテイト:
昨日の夜、キッチンがテロにあったかの如く汚れてたから、
何があった?!って聞いたら、この世の漆黒を固めたような真っ黒な物体を渡されて…
 
アルメラ:
うぅ…どうせアタシは女子力なんかないわよ…
ミテイトのバカッッ!!ハナクソヤローッッ!(走り去る)
 
ミテイト:
口わるっ!!
あ、待って!アルメラ!(追いかける)
 
ディラン(幽霊):
ほら見ろ。
アルメラのことを傷付けやがって…あの男許せねぇ…!(追いかける)
 
支配人:
嵐のようでしたね。
 
シェイク:
しょうがない。あいつらの分もチョコ買っていってやるか。
 
アイス:
そうね!ミテイトに倍の値段で売りつけましょう?
 
シェイク:
限定品なんだからもう少しふっかけてもいいかもしれないな!
 
支配人:
はぁ…貴方たち夫婦は本当に、間違いなくお似合いですよ、全く。
 
アイス:
あ、もう行っちゃうの?
せっかく会えたんだし、あんたの分も買ってあげようと思ったのに。
 
シェイク:
僕のお金でかい?!?!
 
アイス:
もちろんよ!
 
支配人:
はは、丁重に遠慮しておきますよ。
チョコレートは妻からしか貰わないことにしていますので。
ではまた。

(支配人去る)

シェイク:
なぁにが、『妻からしか貰いませんので』だ。
夜はイロイロと忙しいとか言っといて…

アイス:
ん……(去っていく支配人の背中をみつめてる)

シェイク:
アイス!?まさか今のカッコイイなんて思ってないだろうね?!

アイス:
ちょっとかっこよかった…

シェイク:
僕だってアイスにしかチョコレートは買ってあげないよ?!
他の誰から貰ったって、アイスにしか買ってあげないよ!?!

アイス:
んふふ、分かってるわ。

シェイク:
さぁ行こう!店にあるチョコレートは全部君のために買い占めるぞ!

アイス:
もう!そんなに食べたら太っちゃうわ!

シェイク:
太ったっていいさ!君の魅力はそんなことじゃ失われない。

アイス:
なら太っても、絶対どこでもキスしてよね?
んー…(目を瞑る)

シェイク&アイス:
ちゅちゅちゅちゅちゅちゅ


(間)


ミテイト:
待ってアルメラ!(手を掴む)

アルメラ:
離してよ、特大バカっ!

ミテイト:
昨日の、食べたよ!

アルメラ:
…え?

ミテイト:
チョコ……かどうかはわからなかったけど、
でもアルメラがくれたものだから、全部食べた。

アルメラ:
ち、チョコだもん…

ミテイト:
うん、ありがとう。
俺のために作ってくれたんだ…?

アルメラ:
ていうか、あんなのアンタ以外誰が食べられるのよ!

ミテイト:
あはは、そうだね、俺しか食べられないってことは、それはもう俺専用ってことだもんね?
やりぃ!

アルメラ:
ほんとバカなんだから!

ディラン(幽霊):
アルメラが…楽しそうにしている…
嘘だろ、あんな優男(やさおとこ)…嘘だよなぁ?!
…うぐっ!なんだ?!
地獄の鬼どもめっ!俺を連れ戻しに来やがったな!
こんなことならもっと祖父(ジジイ)の話を…
っぐぅ、離せ鬼ども!俺は、アルメラともっと…!
覚えてろよ優男…テメェにアルメラを幸せに出来るものか!
くそおおおお!!!(地獄へ戻される)



ミテイト:
ハッピーバレンタイン、アルメラ。
また来年も作って…いや待てよ?ら、来年は一緒に作ろうな!

アルメラ:
はぁ?!来年も一緒に居られると思ったら大間違いなんだからね!
また一年、せいぜい“カルーア通りからお金を拾って”きなさいよ!
アタシのためにっ!

ミテイト:
あぁ、任せてくれ!だから来年も一緒にいよう!

アルメラ:(照れながら)
し、…知らないっ!!

ミテイト:
えええ?!そんなぁぁ!





end.
――――――――――――――――

作者:レイフロ
Twitter:nana75927107


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『カルーア通りにはお金が落ちている【日常編】』(4人台本)もよろしくお願いします!
(アルメラ・ミテイト・アイス・シェイクの日常です)
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レイフロ@台本師&声劇民☮

レイフロの声劇台本置き場です。 ご使用の際は必ず『利用規約』のページをご確認の上、ご使用のほどよろしくお願い致します。

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