フログニアタウンのトモドモ(4人台本)
『フログニアタウンのドモドモ』
フログニアタウンシリーズCase.1
【所要時間:30分程度】
●台本をご使用の際は、利用規約をご一読下さい。
●上記イメージ画像は、ツイキャスで生声劇する際のキャス画にお使い頂いても構いません。(配役等の文字入れ可)
↓PV風動画作成しましたので、良ければぜひご覧ください。
【人物紹介】
バジェット(不問)
自称・名探偵。変わり者。片眼鏡(モノクル)をかけている。
本名:バジ・エット。一人称「私」。
アメ(不問)
食いしん坊。性格はおっとり。
本名:イエ・アメ。一人称「僕」。
※アメのイントネーションは「雨」と同じです。
モリ(不問)
明るい元気っ子。見ためがシュレーゲルとそっくり。
一人称「わっち」。
シュレーゲル(不問)
真面目でちょっと天然。最近引っ越してきた。見ためがモリとそっくり。
一人称「あっち」。
【演じる際の注意点】
★全キャラクター性別不問で、比率は自由です。
女性が少年のように演じても、男性が女性のように演じても構いません。
(ただしオカマのような特殊なキャラにはしないで下さい)
★一人称は変えずに台本のまま演ってください。
★モリとシュレーゲルは見た目がそっくりという設定ですが、
配役の際、性別を揃える必要はありません。
↓生声劇等でご使用の際の張り付け用
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フログニアタウンのトモドモ
作:レイフロ
バジェット:
アメ:
モリ:
シュレーゲル:
https://reifuro12daihon.amebaownd.com/posts/32528683
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以下、台本です。
ナレーション(シュレーゲル):
ここは、美しい緑と綺麗な水に恵まれた、フログニアタウン。
多種多様な人々が混在するこの町では、
それぞれの個性を尊重し、敬(うやま)いながら、
今日も、『おおむね』平和な日々が流れている。
モリ:
あああ…もう終わりだ…見てしまった…わっちは…死ぬんだぁ…
ナレーション(シュレーゲル):
おや?
言った側から、おおむね平和ではないことが起こっているようです。
フログニアタウンに住む彼らの日常を、少し覗いてみることにしましょう。
(間)
モリ:
わっちはもうすぐ…死んじゃうんだーっ!
アメ:
どうしたの~?モリモリ。
モリ:
アメ!その呼び方やめてくれよ~、わっちはモリ!
「モリモリ」だとマッチョみたいだから嫌だって
何度言ったらわかってくれるんだい?!
アメ:
可愛いと思うんだけどなぁ、モリモリって。
ご飯を沢山食べてるみたいじゃない?
モリ:
そっちかい!
アメは食いしん坊だなぁ。
アメ:
それで?
どうして「死んじゃう~」なんて言ってたの?
モリ:
あっ、そうだった!大変なんだよぉ!
アメ:
わかった!しぬほどお腹がすいちゃったんだね?
わかるよぉ。3時間くらい何も食べていないとしぬほどお腹鳴るもんねぇ。
モリ:
3時間で?!
アメは一体、一日何食たべてるのさ?!
アメ:
しょうがないから、さっき君に貰ったお菓子、少しだけ返してあげるよぅ。
モリ:
え?わっちが君にお菓子をあげたのは、
「さっき」じゃなくて「昨日」だったよねぇ?
アメ:
あれぇ?ないなぁ。どうしてだ?
あっ!さっき自分で全部食べちゃったんだった!
ああどうしよう!お菓子のストックがなくなった!
死んじゃう…僕も死んじゃうよぉぉぉ!!
モリ:
いやいや!今死にそうなのはわっちなんだけど?!
なんでわっちより先に死にそうになってるんだよぉ!
アメ:
餓死は嫌だぁぁ…餓死だけはぁぁぁ
ナレーション(シュレーゲル):
アメが頭を抱えてその場にうずくまると、
そこに、トレンチコートを着て、片眼鏡(モノクル)をかけた人物が颯爽と現れた。
バジェット:
どうしたー?君たち。
二人とも絶望したかのような顔をして。
この世の終わりでも来るのかい?
モリ:
バジェット!聞いてよ、実は…!
アメ:
バジェ~!何か食べ物を持ってない?!
僕このままじゃガリガリに痩せちゃう!
バジェット:
安心したまえ!食いしん坊の君がガリガリになる可能性はゼロだよ!
ガリガリになる前に「食べ物がない」というショックで死ぬだろうからね!
あっはっはっは
モリ:
バジェット!そんなことよりわっちの話を…っ
アメ:
いいや、なるね!もはや心がガリガリだよっ!僕はもう死ぬんだぁ!!
最後にお菓子が食べたいよぉ!!
あ、「菓子」がないだけに「餓死」、なんちゃって……
うわあああ死にたくないよぉ!
バジェット:
はぁ…(ため息)
ほら、ラムネをやるから、アメ君は少し黙っててくれ。
アメ:
ラムネぇぇぇ!!むしゃむしゃむしゃ!
バジェット:
で?いつも元気なモリ君が、本当に元気がないようだね?
この私、バジ・エットこと、名探偵・バジェットが!!
君の悩みを当ててあげようか?
モリ:
え?わかるのかい?!
ナレーション(シュレーゲル):
バジェットは、大げさにトレンチコートをバサッとはためかせ、
得意そうにフフンと鼻を鳴らすと、
謎のポーズを取りながら、決め台詞を放った。
バジェット:
もちろんさ!
なんたって私は、名!探!偵!だからねッ☆
モリ:
おお!!
バジェット:
ではさっそく、名探偵の名にかけて…!
…占ってしんぜよう。
モリ:
え?!なんで占いなの?!
探偵なんだから、観察して手がかりを元に当てるとかしてよ!
バジェット:(占い中)
ふぅむ…んんん?…オッフ…なんてことだ…ヤバイ…これはやぶぁい…
ヒッ…見える、見えるぞぉ…あれは…
ぬるぬるの…子犬…??
いや…ネバネバの…お布団…???
おお…これが暗示するものとはつまり……
アメ:(ラムネ食べながら)
むぐむぐ。なんかキモイ占いだねぇ。
バジェット:
出ましたっ☆
モリ君…キミには、死相が出ているッッ!!
モリ:
ひぃっ!やっぱり…!
ああ、わっちは死んじゃうんだァ…うっうぅ…!
アメ:
どういうことなのバジェ。
モリモリが死んじゃうってどうして?
バジェット:
モリ君、君は会ってはいけないものに遭(あ)ってしまったんだろう…?
いや、「見てしまった」という方が正しいかな?
アメ:
見てしまったって何を?
バジェット:
モリ君は、自分そっくりの“ナニカ”を見てしまった…
そうだね?
モリ:
ど、どうしてわかったの?!
バジェット:
んっふっふ。これこそが名探偵!
私の崇高(すうこう)な占いに恐れおののき給え!
アメ:
探偵ならキモイ占いじゃなくて推理しなさい?
モリ:
ねぇどうしたらいい?!わっちはついさっき…っ!
自分そっくりの 『ドッペルゲンガー』 を見ちゃったんだ!!
(間)
アメ:
ドッペルゲンガーってあれ?見ると死ぬってやつ~?
バジェット:
ドッペルゲンガーとは、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種。
そしてアメ君の言う通り、死期が近い人がドッペルゲンガーを見るのが多いことから、
ドッペルゲンガーを見てしまった者は、死ぬと言われている。
アメ:
モリモリがドッペルゲンガーを見たってどうしてわかったのー?
ホントに占いのおかげ?
バジェット:
あっはっは!
あれはエンターティナーとしてのパフォーマンスだよ!
アメ:
それ探偵に必要?
バジェット:
いつもなら私の優れた観察眼で悩みも見通せるのだが…
今回はね、さっきモリ君のドッペルゲンガーからも
同じ相談を受けたから、実は事前に分かっていたのだよ!
モリ:
ふぇ?!わっちのドッペルゲンガーから相談だってー?!?
バジェット:
いや、「君のドッペルゲンガー」ではなく、
「君自身がドッペルゲンガー」、という可能性もあるがね?
モリ:
は?一体どういう意味…?
シュレーゲル:
先生!バジェット先生―っ!
どこ行っちゃったんですかー?!
あ、居た!!はぁ、はあ、話の途中でどこか行かないでくださいよぉ。
あっちは、今日にも死ぬかもしれないのですよぉ?
モリ:
え…?
シュレーゲル:
え…?
アメ:
わっ!顔も体系もモリモリとソックリさんが現れた!
モリ:
ぷぎゃああ!!ドッペルゲンガーだぁ!!
シュレーゲル:
ぴやぁああ!!ドッペルゲンガーだぁ!!
バジェット:
あはは!
で、どっちが本物のモリ君で、どっちがドッペルゲンガー君なんだい?
モリ:
わっちは断じて、ドッペルゲンガーなんかじゃないっ!
わっちが本物のモリだよぉぉ!
シュレーゲル:
あっちも断じて、ドッペルゲンガーなんかじゃありませんっ!
それにあっちにはシュレーゲルという立派な名前があります!
アメ:
モリと、シュレーゲル…?
ドッペルゲンガーなのに名前は違うの?
はぁ、それにしてもお腹がすいたぁ…。
シュレーゲル:
あ!貴方はさっき、道で行き倒れていた人じゃないですか!
さっきお菓子を沢山あげたのに、もうお腹が空いたんですか?!
アメ:
あれぇ?さっきお菓子をくれたのは、モリモリだと思っていたけど、
モリモリのドッペルゲンガーさんだったんだね?
その節はありがとう!
ところでお菓子もっと持ってない?
モリ:
ドッペルにお菓子をタカろうとするな!!
シュレーゲル:
だから、あっちはドッペルじゃありませんって!
シュレーゲルですっ!
アメ:
シュレシュレ~、もっとお菓子はぁ?
シュレーゲル:
シュレシュレなんて初めて呼ばれましたけど…!
てゆーか、持っていたお菓子はさっき全部貴方にあげましたよ!
「餓死する餓死する」とうるさかったので。
アメ:
そっかぁ、残念…。
モリ:
一体どうなってるんだよ?!
わっちのドッペルゲンガーがシュレーゲルという名前で?
でもそれはシュレーゲルのドッペルゲンガーがわっちである可能性もあって…?
うあああ頭が混乱してきたぁ!?
バジェット:
なあに、慌てなくてもいいさ!
落ち着きたまえよ!
この名探偵・バジェットにかかれば、そんなこと一瞬で解決してやろう!
シュレーゲル:
本当ですか?!
バジェット:
あぁ、もちろんだ!任せたまえ!はーはっはっは!
シュレーゲル:
なんて頼もしい!
アメ:
ねぇ、僕の餓死問題も解決して欲しいんだけどぉ?
お腹すいたぁ…
バジェット:
ほれ、アメ君はこれでも取ってこぉぉぉい!(ラムネを遠くに投げる)
アメ:
ラムネェェェェェェ…(だんだん遠ざかる)
バジェット:
コホン!答えは簡単なことだよ。
自分のドッペルゲンガーを見た者は、じきに死ぬんだ!
だからもう少し待っていれば、
モリ君かシュレーゲル君、どちらかが死ぬわけだ!!
モリ&シュレーゲル:
は?!?
バジェット:
つまり、生き残った方が本物のドッペルゲンガーということだねッ☆
モリ&シュレーゲル:
はぁぁああ?!?!
バジェット:
なんて華麗な解決!!
フッ。私はやはり名探偵になるために生まれたようだ…!
そうだサインを考えておこう!
ドッペル事件を解決した名探偵として地元紙に載るだろうからな!うふうふうふ
…ん?どうした、二人とも?
モリ:
それじゃあ解決にぃぃぃ!!!
(バジェットに腹パンを食らわせる)
バジェット:
どぇふぅぅぅッッ!!
シュレーゲル:
なってないじゃないですかぁぁぁ!!!
(バジェットにアッパーを食らわせる)
バジェット:
ぷぎょぱあッッ!!
アメ:
はぁ、ラムネを拾いに走ったら余計お腹すいちゃったよぉ…。
あれ?バジェットが泡吹いてピクピクしてる…しんでるのかなぁ?
ツンツン…
バジェット:
いたたた……
ハッ!!
なんて華麗な…連携技なんだぁ!!
アメ:
うわあ、生きてたぁ!
バジェット:
モリ君の重たい腹パンをくらって下を向きかけた私の顎(あご)に、
シュレーゲル君のアッパーが、間髪入れずガツンと…
私の、脳を揺らして…あぁ…頭が、グラグラするぅぅ…
ぐはっ!チーン…
アメ:
あ、やっぱり死んだ…。
モリ:
やるじゃないか、ドッペルゲンガーのくせに!
良いアッパーだったよ!
シュレーゲル:
貴方だってなかなかです、ドッペルゲンガーのくせに!
良い腹パンでした!
アメ:(お経みたいなリズムで)
なんみょーほーれん おかしがたべたい おなかがすいたー ぽくぽくぽくちーん…
モリ:
弔(とむら)うよりも食欲が勝(まさ)ってる!!
シュレーゲル:
どうしようもなくお腹が空いているのが伝わってきますね!!
バジェット:
ハッ!!
わかった!解ったぞー!!
アメ:
また生き返ったぁ!
バジェット:
君たちはどちらも、ドッペルゲンガーなんかじゃあない!!
モリ:
え?!
シュレーゲル:
どういうことです?!
バジェット:
ふふふ、君たちは姿形こそとても似ているが、
名前も違うし、声も違うだろう?
モリ:
う、うん、確かに。
シュレーゲル:
それはそうですね。
バジェット:
つまり!君たちは…
生き別れの双子なんだッッ!!
モリ:
双子ぉ?!
シュレーゲル:
そ、そんな馬鹿な!!
バジェット:
まるでドラマのようじゃないか!
ドッペルゲンガーかと思い、一度はお互いの存在に恐怖した二人だったが、
実は幼い頃に生き別れた双子だった!!
さっきの息の合った連携技も、合って当然なんだ!!
二人は双子☆!!なのだから!!
アメ:
でもそれは違うんじゃない?
うちの親とモリモリの親はとっても仲良しで、モリモリが生まれた時も
すぐに病院に駆けつけて見に行ってたけど、双子ではなかったよ?
バジェット:
え…?
モリ:
そ、そうだよっ!
生まれたてホヤホヤのわっちの写真もあるし、絶対に一人っ子だよ!
バジェット:
クッ…!
アメ君!君のお母さんがグルだという可能性はゼロだと言い切れるかね?!?
アメ:
えぇ?!僕のお母さんが嘘ついて一体何の得があるっていうのさぁ!
バジェット:
モリ君のお母さんと君のお母さんは仲良しなんだろう?
なんか、ほら…えっと…
金銭的な面で双子はキツイ!!ってなって、
こっそり片方を養子に出そう!的なことになったのかもしれない!
モリ:
ひぃっ!確かにうちは貧乏!!
公園の雑草をてんぷらにして食べてたこともあるくらいだし!!
アメ:
なにそれ美味しそうっっ!!どの雑草が食べられるの?!?
シュレーゲル:
アメさん!話がややこしくなるから
食べられる雑草の見分け方は後で教えてもらいましょう!!
バジェット:
ふふふ、可能性を否定しきれない以上、
双子説はやはり濃厚だな!!はーはっはっは!
シュレーゲル:
でもその仮説だと、あっちが養子ということになりますよね?
でもうちには、妊娠中の時のエコー写真もとってありますし、
生まれたてホヤホヤのあっちを抱いた写真も残ってますよ?
バジェット:
え…?
シュレーゲル:
なので、あっちが養子であることはまず無いですね。
(間)
バジェット:
や、やだなぁ!似てるから双子なんて、
そんな安易な推理するわけないじゃないかぁ!
「ドッペルゲンガー見たから死んじゃう~」とか言ってたから、
そのぉ…場を和ませようとしたんだ!
私のユーモア溢れる冗談のおかげで、死の恐怖から逃れられたろ?!
結果オーラーイ☆
シュレーゲル:(ヒソヒソと)
バジェットさん、推理が外れて滝のような汗かいてますけど、
笑ってあげた方がいいんですかね?
モリ:
ほっとけばいいんだよ、あのバカは!
バジェット:
冗談はこのくらいにしてッ!
さぁ、ここまでの経緯を纏めよう!
シュレーゲル:
そろそろこの台本も終盤だから纏めに入ってきましたね!
モリ:
しーっ!!そう言うの“メタ発言”って言うんだよ!
バジェット:
シュレーゲル君は最近、このフログニアタウンに引っ越してきて、
そこで自分そっくりのモリ君を発見する。
ドッペルゲンガーを見てしまったと勘違いし、
巷(ちまた)で有名な名探偵であるこの私に相談してきたのだ。
アメ:
「自称・名探偵」で有名なだけだけどね。
シュレーゲル:
あっちがバジェットさんに相談に行った時、
「君は本当にモリ君じゃないの?めちゃめちゃそっくりだよ?
私をからかっても無駄だぞ?さては変装だろう?!ははーん、わかった!
怪人二十面相だな!正体暴いてやる!」
とか言って、あっちの顔に仮面が付いていないか、散々引っ張られましたけどね!
バジェット:
あらゆる可能性を疑うのが名探偵なのだ!!
シュレーゲル:
痛かったですけどね!
バジェット:
ふふふ。聞いて驚け!
今から名探偵が、コトの真相を話すぞぉ!
キャー名探偵カッコいい!ヒューヒュー!よっ!名探偵ーっ!
シュレーゲル:
自らガヤまでこなして盛り上げるなんて!
一体どんなドラマティックな結末が待っていると言うのですか!?
アメ:
意外とシュレーゲル君もツッコミノリノリだよね…。
モリ:
わっち、友達になれそう。
バジェット:
モリ君とシュレーゲル君…
この二人がそっくりな理由はズバリ…
アオ&モリ&シュレーゲル:
ゴクリ…!!
バジェット:
他人の空似(そらに)だッッ!!
(間)
シュレーゲル:(ヒソヒソと)
ここはコケておいた方がいいところですかね?
もしくは「なんでやねん!」とツッコんだ方が?
モリ:
シュレーゲル…キミは良いヤツだ…!
無視でいいんだよ、あんなアホ探偵は!
アメ:
他人の空似ってレベルじゃないくらいソックリだけどなぁ。
モリ:
ま、生きてりゃあこんなこともあるんだろうな!
とにかくドッペルゲンガーなんかじゃなくてよかったよぉ。
改めてこの町にようこそ、シュレーゲル!
わっちはモリ・アオだ。よろしくな!
シュレーゲル:
モリ…アオ…?
モリさんは…「アオ」って名字なんですか?!本当に?!
モリ:
え?そうだけど、なんで?何か変?
シュレーゲル:
だってあっちは…、あっちのフルネームは…
シュレーゲル・アオ、なんです…。
アメ:
え?!二人とも名字が「アオ」なの?!
なんていうか、それじゃあまるで……
双子みたいだね?
モリ・シュレーゲル:
ひええええ?!?!
バジェット:
わははは!なんだ、やっぱり双子なんじゃないか!
ほれ見ろ~私は名探偵だーっ!はーはっはっは!
ナレーション(アメ):
その後、モリとシュレーゲルは、半泣きになりながら
戸籍謄本(こせきとうほん)まで確認しましたが、
結局二人は、正真正銘ただの「他人の空似」でした。
顔や体形がそっくりなことも、名字が同じなことも、ただの偶然だったのです。
そのことを知った名探偵・バジェットは、心底楽しそうにこう言いました。
バジェット:
あらゆる可能性を疑うのが名探偵なのだ!
ドッペルゲンガーじゃなかろうが双子じゃなかろうが、結果なんて…
どうでもいいッッ☆
(5秒以上間を開けて下さい)
ナレーション(バジェット):
後日談ッ☆
シュレーゲル:
アメさん、アメさん!
モリさんに聞いたんだけど、君はイエ・アメという名前なんだそうだね?
アメ:
ん~?そうだよぉ?
シュレーゲル:
「アメ」というのは苗字でしょう?
みんな名前で呼び合っているのに、
アメさんだけどうして名字で呼ばれているんです?
アメ:
イエって名前だとさぁ、
例えば「モリモリのイエ(家)に行こう!」ってなった時とか紛らわしいじゃない?
シュレーゲル:
はは、そんな理由なんですか?
アメ:
まぁでも、一番の理由は…
モリ:
アメは、飴屋さんだからだよ!
シュレーゲル:
あ、モリさんこんにちは!
モリ:
よっ!
シュレーゲル:
アメさんは飴屋さんだったんですか!
お店はどこに?
アメ:
移動販売だから店舗はないんだ~。
飴が欲しかったら僕に声をかけてくれればいいよぉ。
シュレーゲル:
へぇ!そうなんですね!
少しだけでも買えたりします?
アメ:
1個から買えるよ~。
今日売ってるのはねぇ、3種類!
モリ:
あっ!わっちの好きなアフロ飴がある!3つちょーだい!
アメ:
はいよぉ。30ルエカになりまぁす。
シュレーゲル:
アフロ飴ってなんですか?!
その他にも、トンチンカン飴に…刺し身飴?!
味が想像できない…
モリ:
アメの飴は細かいこと気にしちゃダメなんだよ!
勢いで舐めるモンだ!
シュレーゲル:
じ、じゃあトンチンカン飴をひとつ!
アメ:
まいどぉ。10ルエカだよぉ。
それにしても、君たちはドッペルゲンガー事件依頼、仲良くなったみたいだね~
モリ:
だって他人なのにこんなに似てるなんて奇跡じゃん?
一緒に歩いてるとみんな振り向くし、
だんだん面白くなってきちゃったっていうか!
シュレーゲル:
まぁ、趣味とか性格は全然合わないんですけどね!
アメ:
外見がいくら似てたって、やっぱり二人は別人なんだねぇ。
バジェット:
その通りだ、アメ!二人は似ていても全くの別人だ!
なっ?モリ君!(肩ぽんっ)
シュレーゲル:
えっと…あっちはシュレーゲルですけど…
バジェット:
ししし知ってたよ?!知ってたけどね!!
もちろんキミはシュレーゲル君だよ、間違いなくね!!あはは!
モリ:
はぁ…(ため息)
シュレーゲル:
そういえば、あっちが一番最初にアメさんに会った時、
餓死寸前で倒れていましたが、
あのとき飴は持っていなかったんですか?
アメ:
売り物は食べちゃダメでしょ!
あ~むっ!(食べる)
シュレーゲル:
めちゃくちゃ食べてるんですけど!
モリ:
あれは…私物の飴なんじゃない?
アメ:
あ…これ売り物のアフロ飴だった…
まいっか!んまぁ♪
シュレーゲル:
めちゃくちゃ食べてるんですけど!
モリ:
あははは!
バジェット:
ん~っ!(伸びをする)
何はともあれイイ天気だなぁ…。
今日もフログニアタウンは、平和だっ!
End.
あとがき。
これ気づく人がいるかわかりませんが、キャラクターのモデルはカエルです。
町の名前でもあるフログニアタウンも、FLOG(カエル)とNEAR(近い)を掛け合わせた造語です。
1話でモデルとなったのは、バジェットガエル、モリアオガエル、シュレーゲルアオガエル、イエアメガエルの4種類でした。
今後こちらはフログニアタウンシリーズとして続く予定ですが、
毎回キャラクターは不問4人として、たくさんのキャラを出していく予定です。
性別がどうでも劇人が4人集まれば出来る台本として、
ぜひお気軽にお使いいただければ嬉しいです。
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